俺のマドンナ
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「ただいまぁ」
玄関から声が聞こえてきた
「ママ~?侑士~?」
親父やらは後輩の結婚式やとかいうて出掛けて行った
だから俺以外は誰もおらん
「侑士いるんやんか!!」
遠慮なしにドアが開いて不機嫌そうなリリが入って来た
機嫌悪いのは俺なんやけど?
「何で返事しぃひんのさぁ!!」
読んでる本をひったくられ怒った顔したリリが視界を独占する
「怒ってる?ごめんて言うたやん」
リリの顔を見てたら昼間の照れたような表情が脳裏に浮かんだ
俺は思わずリリの唇を塞いだ
「?!」
何が起こったんか理解するのに時間がかかったらしく、しばらくしてからリリが暴れだした
その華奢な体で男に敵うわけなくて、俺はさらにリリを抱き締める
「んーっ!!」
リリの頬に触れて初めてリリが泣いてるのに気づいた俺は冷静さを取り戻した
侑「す、すまん…」
俺から解放されたリリは呼吸を乱していて、力なく床に座り込んだ
居てもたってもおれんくなった俺は部屋から逃げるように出て行った
それから数日間、親には適当な理由を言うて跡部の家に泊まった
我ながら情けないとは思いつつもリリとどんな顔して会えばええんかわからんかった
後悔もあったけど、それよりもさらにリリを求めてる自分がいた
俺たちは双子やのに…
抱いてはあかん感情やのに、俺はもう堕ちる事しかできひん
リリが欲しい
俺を受け入れて欲しい
跡「何だ?帰るのか?」
侑「…すまんかったな」
理由も聞かずにおいてくれた跡部にはほんま感謝や
跡「忍足、お前…どうすんだ?」
侑「何がや?」
跡「いや…」
それ以上、跡部は口をひらかんかった
あいつの事や、俺が抱いてる気持ちにもしかしたら勘づいてるんかもしらん…
それでも追及してこん跡部に俺はほっとした…
反面、止めて欲しかったんかもしれん…
だから跡部を選んだんかもしれん
でも、もう無理や
侑「ただいま」
「侑士…」
久々に帰って来た俺を見て、ほっとしたような怯えたような表情を浮かべたリリ
侑「おとんやらは?」
「リビング」
リリに構わずリビングに向かう
侑「話あんねん」
リビングで寛いでる両親が振り返った
侑「俺、アメリカ行くわ」
「?!」
久々に帰って来た息子の発言に驚いた両親はしばらく呆然としてたけど、リリを部屋に戻すと話し合いをしてくれた
「侑士」
話し合いが済んで階段を上がるとリリが心配そうな表情で待ってた
「アメリカ行くってどういうこと?」
侑「そのままの意味や」
リリを見ずに通りすぎる俺を追いかけて来る
「何でなん?急に…あたし、こないだの事なら気にしてないで?」
侑「この間の事て?」
聞き返すと口ごもる
「あの…その…」
侑「キスした事?」
「侑士…」
侑「気にしてへん?ほんまに?俺は気にしてもらいたかったんやけどな」
「どうしたん?」
イライラしてきた俺に困惑そうなリリ
侑「俺がおらん方がええやろ?」
「そんな事ないよ!!」
侑「何で?俺なんかおらんくても楽しそうやん」
「何でそんな事言うん?一体どうしたん?」
リリはあほやな
警戒心が薄すぎる
俺について部屋に入って来たリリをドアに押し付ける