俺のマドンナ
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生まれた時から
一緒やったリリ
どんな時も一緒やった
笑った顔も泣いた顔も
俺が知らん顔なんか
なかったはずやった
俺は姉に恋をする
「マジで?真田らしぃ~」
俺の部屋に来たと思うとすぐさま携帯が鳴った
かれこれ30分は話とる
「嘘!?行きたい!!ブン太も行こうよ!!」
電話の相手は男
昔は俺と謙也くらいしか電話帳に入ってへんかったはずやのに…
別々の中学に行くことになってからリリの知らん顔が出てきた
侑「…電話するなら部屋でしたら?」
イラだったように言うとリリはごめんて手を合わせると部屋を出て行った
侑「何やねん…」
さっきまでリリの声がしてた部屋は静まりかえった
何でなん?
俺と顔を合わせるのは朝と夜だけやのに…
学校で俺より過ごしてるヤツと何で家帰ってからも話すねん
自分の中でも黒いもんが渦巻くのを感じて俺は読んでた本を閉じるとベッドに潜り込んだ
最近ヤバい…
リリを独占したくてしゃーない
俺の知らん顔なんかあって欲しない
「ごめん!!」
前から約束してた映画を観に行く日の朝、起きるなり謝られた
「すっかり忘れてて予定入れてしもた!!ほんっまごめん!!」
侑「え?」
「マジでごめん!絶対埋め合わせするから!!てか次映画奢る!!ごめんな!!」
言い終わるなり走って家を出てったリリ
侑「何で俺なん…」
断るなら俺じゃない方を断ればいいやん
閉まった扉を見つめながらしばらくボンヤリしていた
映画化するって決まった日から約束してた。
絶対一緒に行こうって…
公開日から一番近い休みがたまたま重なってる事、喜んでたやん
2ヶ月も前から俺は跡部に言うてたのに
岳人の誘いも他のヤツの誘いも断ったのに
何であっさり約束破れるん?
リリ、お前にとっての俺て一体なんなん…
なんて考えながらあてもなく街をぶらついてた
「凄い凄い!!」
丸「天才的だろぃ?」
桑「まさか、あそこまでやるとは思わなかったぜ」
ゲームセンターから出て来たリリ
仁「リリは瞬殺やったな」
「うるさいっ」
少し離れた所で楽しそうにしてるリリ
あんな風に膨れたり、笑ったりすんのは俺の前だけやなかったん…
幸「楽しかったんだ、よかったね」
「ユッキー!!うん」
頭を撫でられ照れたように笑うリリ
あんな顔は知らん…
なぁ、リリ。
俺はそいつらよりどうでもいい存在なん…
俺の中を黒が埋め尽くしていくのを感じながら、リリたちが歩いて行くのが見えなくなるまで動けへんかった