ゆっきーの教室、部室、テニスコート、図書館、屋上
手当たり次第に探してみたけどゆっきーはおろか、見慣れた顔は誰一人いいひん

｢どこ…｣

泣きそうになりながら廊下を歩いていたら前から暗い表情のテニス部マネージャーがやって来た

｢精ｯｯ市ｯｯ…どこ…｣

彼女の華奢な腕を力一杯に握って尋ねる

白｢忍足…さん…｣

あたしのただ事ではない様子に痛々しそうな表情を向けられた

｢精市…｣

目に溜まりきらなくなったのか涙が流れた

白｢今から、真田君達が幸村君の容態の説明を受けるんだって｣

そんなんどうでもいい
ゆっきーの居場所が知りたい

白｢私は学校で待機なの。あまり人数が多くても困るでしょ？｣

部活中に倒れたならこの近くの救急病院のはずや…

白｢あっ、忍足さん!!｣

あたしは再び走り出した

｢この近辺の大きい病院どこにある？｣

携帯電話を必要以上に握りしめる。それでも落としてしまいそうや…

｢立海の近くの大きい病院どこ？｣

電話の向こうでいつもの俺様節で話す跡部にもう一度尋ねた

跡部に近辺の病院を全て回るつもりかと言われて思わず早く!!と叫んでしまった

跡部は悪くないのに…