seasonーsummerー
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「明日の試合、みんなのプレーを焼き付けて行くから頑張ってや!!」
明るく言ったあたしは場違いな感じで…
切「何で黙ってたんすか?」
俯いたまま不機嫌に言う赤也
「ごめんな」
切「丸井先輩はいーんすか?何で許したんすか?!」
ブン太に詰め寄る赤也の肩を比呂士が掴んだ
比「切原君」
幸「赤也、ブン太を責めるのはおかしいんじゃない?これはリリの話だろ」
切「でもっ!!先輩達は平気なんすか!?リリ先輩がいなくなっちゃうんすよ!!」
蓮「いなくなるわけではない」
仁「そうじゃ。また戻って来るんじゃろ?」
「もちろん」
切「だけどっ」
桑「赤也、お前の気持ちもわかるけどよ。笑顔で送り出してやろうぜ」
赤也の頭に手を置いてあたしを見たジャッカル
なんて素敵なジャッカル!!
「黙ってたことは謝る!!ごめんなさい!!でもあたし、イギリスで頑張ってくるから!!だから…」
幸「今度は俺もリリを待つよ」
言葉に詰まったあたしを笑顔で精市が見てきた
幸「みんなと一緒に…」
真「うむ」
比「そうですね」
仁「まぁ、頑張りんしゃい」
蓮「お前のデータを餞別としてやろう」
「いや、別にいらん」
丸「じゃあ俺にくれよ」
「何でよ!?」
丸「お前んことよくわかんねぇんだもん」
ケロッと言ったブン太
なんか虚しい…
切「リリ先輩」
「ん?」
切「俺が強くなるの側で見てて下さいって言ったの覚えてますか?」
「…」
そんな事もあったよーな…
切「リリ先輩が帰って来る頃には先輩達より強くなってますから」
幸「楽しみだな」
真「あぁ」
蓮「そうだな」
「頑張って!!ブン太も赤也に倒されへんよーに頑張ってや?」
隣に居るブン太を肘でつついた
丸「俺はダブルス専門だからいーんだよ」
幸「へぇ」
丸「いや、うん…」
「赤也!!まずは明日の全国制覇頑張ってや」
切「余裕っすよ!!」
きっとこんなタイミングでみんなに話したのは間違ってるんやろうな…
って思ったけどギリギリまで言い出せへんかったあたしの気持ちをみんなわかってくれてるんやと思う!!
丸「リリ、明日一緒に行こうぜ」
帰り支度を終えて部室を出ようとしたらブン太が言ってきた
「うん、わかった!!」
幸「俺たちももう終わるから今日はみんなで駅まで行こうよ」
蓮二と話してたゆっきーが立ち上がった
比「そうですね」
仁「今日が最後やしな」
そっか…
あたし達は明日で引退なんか…
みんなの後ろを歩いてるゆっきーと蓮二に並んだ
「蓮二、ゆっきー、黙っててくれてありがとうな」
留学のこと…
幸「当たり前じゃないか」
蓮「そうだ。礼を言われる事ではない」
「やけど…知った時ビックリした?」
蓮二の顔を見上げた
蓮「…多少。だが俺もお前には合っていると思っていた」
「そうなん?」
蓮「お前の成績を見ればわかる事だろう」
うっ…
幸「リリはハッキリしているからね」
「…」
蓮「どうしたんだ?」
前を歩いてるみんなを見てたら蓮二が首を傾げた
「いや、何かしみじみしてきた」
蓮「しみじみ?」
「一年の春からずっとみんなを見てきたなぁって思ってさ」
幸「リリ」
「ん?」
幸「リリだってずっと俺たちとテニスをやってきたんだよ」
「へ?」
幸「リリが応援してくれるから俺たちはコートで戦う事ができた。リリがサポートしてくれるから頑張れる、リリがいてくれたからこそ今もこうしていられるんだよ」
「ゆっきー」
幸「自分には何も残らないなんて思わないでよね」
そう言ってニッコリ笑ったゆっきーはやっぱり何でもお見通しなんやなって思った
明日であたし達は引退
新しい世代に、赤也にバトンを渡す
そのバトンを最高の形で渡せるようにあたしもみんなの事を全力でサポートしよう