seasonーspringー
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「あれ?白石君?」
最終日の夜、明日帰れると思うとなかなか寝付けへんくてベランダに出たらコートにいる白石君が見えた
急いでコートに行く
「しら…」
声をかけようと思ったけど汗だくになりながらラケットをふる白石君を見たら動けなくなってしまった
弦一郎が言ってた
白石君のプレーは基本に忠実で無駄がなくて綺麗やって
それは日々の努力の成果やろうって
白石君だけじゃない
あたしの周りだって、ここにいる人たちはみんなそうや
人の二倍…ううん。何倍も努力してる
あたしは…
蔵「リリちゃん?」
不意に呼ばれてビクッとなった
蔵「こんな時間にどなしたん?」
タオルで汗を拭いながら微笑む白石君
「あ、白石君が見えたから…」
蔵「会いに来てくれたん?」
「え?あ…う…うん」
急に顔が熱くなった
蔵「そんな顔されたら大阪戻りたなくなるわ」
白石君の視線があまりに切なくて、あたしはじっと見るしかできひん
蔵「俺…あんまもしとかたらとか好きやないんやけど…」
「?」
蔵「リリちゃんともっと早く出逢ってたらとかもしあの時ちゃんと伝えてたらとか…」
白石君は俯いてしまった
「白石君?」
蔵「…メールせぇへんかったら…とか思ってまうねん」
「あっあたし」
蔵「情けないやろ?最初から俺の割り込む場所なんかあらへんのにな」
笑って言う白石君は悲しそうで胸が痛い…
蔵「リリちゃんの居場所はここなんやな」
「白石君、あたし」
蔵「ストップ。このまま帰りたいねん。期待も絶望もしたあらへんし」
振られる勇気もないて、俺格好悪いな…そう呟いた白石君
涙が出そうになった
あたしは白石君が好きや
でもブン太と付き合った
ブン太が好き
ブン太の好きと白石君の好きは違う
何が違うんかな?
わからへん
憧れ?
あの時、白石君を想ってた気持ちは確かに恋心やったはずやのに…
なんなんやろ…
蔵「夜は冷えるし、戻ろか」
黙ってるあたしに白石君は微笑んだ