番外編
⭐︎幸せだけど……⭐︎ 樹side
大好きな仕事に復帰し、出かける妻を車で送る。そして帰るときは必ず電話すること、と言うといつも彼女は笑ってこう言うんだ。
「はい、樹くん」
笑顔に自然とときめく。
クリニックに入って行く彼女を車窓から眺め、
(ああ、本当に彼女が好きだ、好きすぎておかしくなりそう……)
自分の心と格闘していた。
もともと彼女には長男の蓮を授かったときに、仕事を辞めてもらうつもりでいた。
彼女の中では産休を取って育休、そして復帰の流れだっだが、そこで予想外なことがおきてしまう。
なんと二人目を妊娠したのだ。
喜ばしいことだが、妻自身も正直驚いていた。
「まさかこんなに早く二人目ができるなんで」
息子の蓮をあやしながら彼女は自分のお腹に触れている。
出産後、しばらく長男の蓮にかかりきりだったので、樹は少しばかり妬いていた。
そう、自分の子どもに。
彼女のことが好きで、好きでたまらなくて。
でも我慢しなきゃいけなくて。
悶々とした日々が続いて、やっと身体に触れ合えることができるようになった。
彼女の身体は、母親であると同時に樹の中では《妻》であり、ただ一人の《運命の番》伴侶だ。
俺は彼女から蓮を受け取り、あやしながらそっと聞いてみた。
「身体……辛くない?こんなに早く二人目ができるなんて」
すると彼女は微笑んでこう言った。
「正直早くてびっくりしたけど、樹くんのこと大好きだから、だからーー」
=あなたとの子どもを授かれて幸せ=
その言葉を聞いて胸が熱くなった。
その原因を作ったのは俺なのに、そんなふうに言われるとなんだかもう、子どもと一緒に抱きしめたくなる。
「本当に、大丈夫?」
もう一度聞いてみた。
彼女が頷く。
腕の中で蓮が眠りに入ったようで、そっとベビーベッドに寝かせに行く。
その後ろを彼女がついて来る。
振り返り身体に負担がかからないようゆっくりと彼女を抱きしめた。
彼女の身体からは俺の心を満足させる幸せな匂いを感じる。
好きで、好きでたまらない。
学生のときから今もずっとーー。
「ねえ樹くん」
「何、どうしたの」
幸せな雰囲気の中、彼女は俺の腕の中から顔を上げた。
「二人目できたら私、仕事に復帰したいから、夜はしばらく無しにしようね」
「……」
さっきまでの甘い空気が急速に冷えていく気がした。
「……なんで?」
「なんでって、私もともと歯科衛生士の仕事したくて働いていたし、もちろん樹くんのことも子どものことも大好きで、愛してる。でも、やりがいがあるこの仕事は続けたいの。病院に来るみんなを笑顔にしたい」
二人目できたら仕事に戻りたい?
専業主婦になってもらおうと思っていた彼にはとんだ誤算だ。
「樹くん?」
樹の頭の中では彼女にどう言えば仕事より家庭を、自分を優先してくれるのかの考えに走っていた。
彼女を悲しませたくない。
でもそばにいてほしい。
本音を言えば、その優しく微笑む姿を誰にも見せないでほしい。
ー俺だけに向けてほしいー
執着という名の愛情が、また一つ刻まれていく。
結局彼女の意見を受け入れた樹であったが、その次に待望の娘が産まれた為、話しがうやむやなままであった。
そして……6年が経った今、妻を送った帰り道、後部座席のチャイルドシートに乗る娘の話しで考えがまとまった。
「ねえ、パパぁ」
「ん、どうした?」
ルームミラー越しに娘に目をやる。
「ほいくえんのおともだちがね。こんどお姉ちゃんになるんだって」
「そうか、その子はお姉ちゃんになるのか」
話しを合わせて頷く。
「だからね、あたしもなりたいの」
娘が真剣な顔で訴えている。
「お姉ちゃんになりたい?」
「うん!」
「そっかぁ、それじゃあママと相談しなきゃいけないな」
「ママに?」
「そうだよ。ママにお願いしてごらん?パパも頑張るから」
「なんでパパがんばるの?」
「えーっと、それは置いといて、お願いしてごらん。きっと叶えてくれるよ」
ニヤリと心が笑う。
娘は今日ママが帰って来たら言うぞと気合い充分に、おーっと手を上げている。
彼女にそっくりの可愛い娘。
でも可愛いくて、恥じらった顔も最高に素敵なのは、君のママ、俺の最愛の妻だけ。
再び妻に触れ合えるチャンスが舞い降りてきたことに樹は幸せを噛みしめるのだった。
しかし、
子どもを出産しても働きたいという、妻の執念に負け、結果、樹の出した時間帯での就労と今まで通り送迎は樹が行うということで話しがまとまったのだった。
END
※あとがき
悶々とした樹くんが耐えきれず、一人で致しているところにヒロインちゃんが現れて、してもらうとか、すごいr 18な作品書きたくなってしまう。書く日、来るかな……。
大好きな仕事に復帰し、出かける妻を車で送る。そして帰るときは必ず電話すること、と言うといつも彼女は笑ってこう言うんだ。
「はい、樹くん」
笑顔に自然とときめく。
クリニックに入って行く彼女を車窓から眺め、
(ああ、本当に彼女が好きだ、好きすぎておかしくなりそう……)
自分の心と格闘していた。
もともと彼女には長男の蓮を授かったときに、仕事を辞めてもらうつもりでいた。
彼女の中では産休を取って育休、そして復帰の流れだっだが、そこで予想外なことがおきてしまう。
なんと二人目を妊娠したのだ。
喜ばしいことだが、妻自身も正直驚いていた。
「まさかこんなに早く二人目ができるなんで」
息子の蓮をあやしながら彼女は自分のお腹に触れている。
出産後、しばらく長男の蓮にかかりきりだったので、樹は少しばかり妬いていた。
そう、自分の子どもに。
彼女のことが好きで、好きでたまらなくて。
でも我慢しなきゃいけなくて。
悶々とした日々が続いて、やっと身体に触れ合えることができるようになった。
彼女の身体は、母親であると同時に樹の中では《妻》であり、ただ一人の《運命の番》伴侶だ。
俺は彼女から蓮を受け取り、あやしながらそっと聞いてみた。
「身体……辛くない?こんなに早く二人目ができるなんて」
すると彼女は微笑んでこう言った。
「正直早くてびっくりしたけど、樹くんのこと大好きだから、だからーー」
=あなたとの子どもを授かれて幸せ=
その言葉を聞いて胸が熱くなった。
その原因を作ったのは俺なのに、そんなふうに言われるとなんだかもう、子どもと一緒に抱きしめたくなる。
「本当に、大丈夫?」
もう一度聞いてみた。
彼女が頷く。
腕の中で蓮が眠りに入ったようで、そっとベビーベッドに寝かせに行く。
その後ろを彼女がついて来る。
振り返り身体に負担がかからないようゆっくりと彼女を抱きしめた。
彼女の身体からは俺の心を満足させる幸せな匂いを感じる。
好きで、好きでたまらない。
学生のときから今もずっとーー。
「ねえ樹くん」
「何、どうしたの」
幸せな雰囲気の中、彼女は俺の腕の中から顔を上げた。
「二人目できたら私、仕事に復帰したいから、夜はしばらく無しにしようね」
「……」
さっきまでの甘い空気が急速に冷えていく気がした。
「……なんで?」
「なんでって、私もともと歯科衛生士の仕事したくて働いていたし、もちろん樹くんのことも子どものことも大好きで、愛してる。でも、やりがいがあるこの仕事は続けたいの。病院に来るみんなを笑顔にしたい」
二人目できたら仕事に戻りたい?
専業主婦になってもらおうと思っていた彼にはとんだ誤算だ。
「樹くん?」
樹の頭の中では彼女にどう言えば仕事より家庭を、自分を優先してくれるのかの考えに走っていた。
彼女を悲しませたくない。
でもそばにいてほしい。
本音を言えば、その優しく微笑む姿を誰にも見せないでほしい。
ー俺だけに向けてほしいー
執着という名の愛情が、また一つ刻まれていく。
結局彼女の意見を受け入れた樹であったが、その次に待望の娘が産まれた為、話しがうやむやなままであった。
そして……6年が経った今、妻を送った帰り道、後部座席のチャイルドシートに乗る娘の話しで考えがまとまった。
「ねえ、パパぁ」
「ん、どうした?」
ルームミラー越しに娘に目をやる。
「ほいくえんのおともだちがね。こんどお姉ちゃんになるんだって」
「そうか、その子はお姉ちゃんになるのか」
話しを合わせて頷く。
「だからね、あたしもなりたいの」
娘が真剣な顔で訴えている。
「お姉ちゃんになりたい?」
「うん!」
「そっかぁ、それじゃあママと相談しなきゃいけないな」
「ママに?」
「そうだよ。ママにお願いしてごらん?パパも頑張るから」
「なんでパパがんばるの?」
「えーっと、それは置いといて、お願いしてごらん。きっと叶えてくれるよ」
ニヤリと心が笑う。
娘は今日ママが帰って来たら言うぞと気合い充分に、おーっと手を上げている。
彼女にそっくりの可愛い娘。
でも可愛いくて、恥じらった顔も最高に素敵なのは、君のママ、俺の最愛の妻だけ。
再び妻に触れ合えるチャンスが舞い降りてきたことに樹は幸せを噛みしめるのだった。
しかし、
子どもを出産しても働きたいという、妻の執念に負け、結果、樹の出した時間帯での就労と今まで通り送迎は樹が行うということで話しがまとまったのだった。
END
※あとがき
悶々とした樹くんが耐えきれず、一人で致しているところにヒロインちゃんが現れて、してもらうとか、すごいr 18な作品書きたくなってしまう。書く日、来るかな……。
1/1ページ