第二章 本編
祖父に連れて来られた場所は都内の老舗料亭だった。
玄関から‘和’の要素を取り入れた季節の花々が飾られており、今どのような花が見頃かわかるようになっている。廊下の左右には中庭も見えた。
周囲を見渡し歩いていると、離れにある部屋に通される。
そこは料亭だというのに、部屋の中は和室ではなく洋室の造りになっていた。
進められるままソファに腰を下ろすと、祖父は改めて話し出す。
「蓮、先程の話しの続きだが、聞きたいかい?」
「続きって、父さんと母さんのこと?」
「そう、あの二人が起こした事件を」
そこで世話係であろう年配の女性が湯呑みを持って現れた。
「どうぞ。温かいうちに」
祖父の分と蓮の分をテーブルに置くと、お辞儀をして去っていく。
「ここまで来るのに疲れただろう。ゆっくりお茶でも飲みなさい」
「あなたが連れて来たんですけどね」
言葉に棘を含みながら出されたお茶を飲む。
(うあぁ、苦い!)
苦味が強いお茶であるがゴクリと飲み干した。
それと同時に祖父は立ち上がる。
「少し、待っていてくれ。なに、時間はかけない。先程の話しもしたいしな」
「どこへ行くんですか?」
「ある人を呼びに……な」
意味深な答えに両親か?と思いつつ、去っていく祖父の背中を見送った。
「とりあえず今、無事なことを送っておこう」
スマホを取り出し、1番最初に出た父のアドレスにメッセージを打ち込む。
《都内の◯◯料亭にいる。今のところ無事。奥にある部屋に通された。お茶飲んで待ってなさいと言われた》
一度送信のボタンを押して続きを打つ。
《父さんと母さんの話しを聞かせてくれるみたい。だからーー》
そこまで打ち込むと急に身体が熱くなり出した。
季節は秋のはじまりでまだ夏の暑さは残っているが、身体が熱い。風邪とかじゃなく、内側の何かが出てくるようなそんな感覚だ。
「外の……空気を吸おう」
窓辺に行けばさっきみた中庭があるはずだ。大きく息を吸えば楽になる、そう思いソファから立ち上がった。だか身体のバランスを崩して膝から床に座り込んでしまう。
「あれ、なんで、力が入りにくい……」
視界がゆらゆらしている。
それと同時に沸き起こる、なんともいえない強い衝動。
まさかさっきのお茶に何か入っていた?
今まで感じたことのない身体の状態で焦りを覚える。
その傍らで何度もスマホの着信音が鳴っているが、蓮は出ることができなかった。
続く。
玄関から‘和’の要素を取り入れた季節の花々が飾られており、今どのような花が見頃かわかるようになっている。廊下の左右には中庭も見えた。
周囲を見渡し歩いていると、離れにある部屋に通される。
そこは料亭だというのに、部屋の中は和室ではなく洋室の造りになっていた。
進められるままソファに腰を下ろすと、祖父は改めて話し出す。
「蓮、先程の話しの続きだが、聞きたいかい?」
「続きって、父さんと母さんのこと?」
「そう、あの二人が起こした事件を」
そこで世話係であろう年配の女性が湯呑みを持って現れた。
「どうぞ。温かいうちに」
祖父の分と蓮の分をテーブルに置くと、お辞儀をして去っていく。
「ここまで来るのに疲れただろう。ゆっくりお茶でも飲みなさい」
「あなたが連れて来たんですけどね」
言葉に棘を含みながら出されたお茶を飲む。
(うあぁ、苦い!)
苦味が強いお茶であるがゴクリと飲み干した。
それと同時に祖父は立ち上がる。
「少し、待っていてくれ。なに、時間はかけない。先程の話しもしたいしな」
「どこへ行くんですか?」
「ある人を呼びに……な」
意味深な答えに両親か?と思いつつ、去っていく祖父の背中を見送った。
「とりあえず今、無事なことを送っておこう」
スマホを取り出し、1番最初に出た父のアドレスにメッセージを打ち込む。
《都内の◯◯料亭にいる。今のところ無事。奥にある部屋に通された。お茶飲んで待ってなさいと言われた》
一度送信のボタンを押して続きを打つ。
《父さんと母さんの話しを聞かせてくれるみたい。だからーー》
そこまで打ち込むと急に身体が熱くなり出した。
季節は秋のはじまりでまだ夏の暑さは残っているが、身体が熱い。風邪とかじゃなく、内側の何かが出てくるようなそんな感覚だ。
「外の……空気を吸おう」
窓辺に行けばさっきみた中庭があるはずだ。大きく息を吸えば楽になる、そう思いソファから立ち上がった。だか身体のバランスを崩して膝から床に座り込んでしまう。
「あれ、なんで、力が入りにくい……」
視界がゆらゆらしている。
それと同時に沸き起こる、なんともいえない強い衝動。
まさかさっきのお茶に何か入っていた?
今まで感じたことのない身体の状態で焦りを覚える。
その傍らで何度もスマホの着信音が鳴っているが、蓮は出ることができなかった。
続く。