第二章 本編
見つけ出す 蒼side
目的地に着いたあとの行動を車内で話しあった。樹たち夫婦は話し合うために祖父のもとへ、蒼と龍真が蓮を先に探しにいくことになった。
「蓮兄……」
帰り、部活なんかしないで一緒に帰ればよかった。後部座席に座る蒼は自分が何の役にも立てない悔しさでいっぱいだった。
(遅刻しそうな自分を毎日起こしてくれる兄。
今朝は忘れてたけど……)
「大丈夫、無事に連れて帰ろ」
「龍真さん……」
隣に座る龍真がぽんと頭に触れる。
兄と同じくらい頼りになる存在の先輩。
そして兄の大切な親友。
「そうだ。必ず連れて帰る」
蒼は力強く頷き、窓の外を眺めた。
車はもうすぐ目的地に着くようだ。
車内から見える料亭の看板に、龍真たちは驚く。
「わあ……、まさにお金もちが御用達で来るようなところ」
「ほんとだ……」
車を降りると4人はフロントへと足を踏み入れた。
「蒼、奥の部屋を探してくれ」
「分かった」
短く返事し、龍真と共に料亭の廊下を駆けていく。
「玄関もすごかったけど、中身はまるで迷路だな」
「部屋がたくさんあってわからない」
二人であちこち探すが、何せ老舗の料亭。
広い館内にはいくつもの部屋があり、どこに何があるのかもわからない。
手当たり次第確認していくが、見つからない。
「奥の部屋なんてどこまで行ったらいいんだ?」
「わからない……けど、探すしかない」
ジリリリッ!
額の汗を拭いながら探しまわる二人に突如聞こえた音。
「避難してください」
早く逃げてくださいとの従業員の声に、客たちが騒ぎ出す。
「火事だって?早く避難を」
「来たばかりなのになんで!」
がやがやと騒ぐ周囲を他所に蒼たち二人は客とは違う方向に足を向かわせる。
「こんなときに火事なんて、早く見つけて助けないと!」
蒼たちは焦りながら廊下を進む。
すれ違う客の一人がこちらに走りながら寄ってくる。
そして、すれ違い様に、
「向こうの門曲がったところにいる、安心して」
そう言い、走り去ってしまった。
二人揃ってどう言うことだ?と思いながらも言われた通り門を曲がる。
そこには廊下の壁にぐったりともたれかかるようにして座り込んでいる蓮の姿があった。
「蓮兄!」
「蓮!」
駆け寄り、声をかけるが返事がない。
最悪の事態を想像して蒼が頬に触れた。
「温かい、大丈夫、生きてる」
安堵感が一気に二人を包む。
衣服も上は乱れているも、下はそのままだ。
大丈夫、事は成し遂げられていない、未遂だ。
「どうした?」
「いや、なんでもないよ」
床に落ちていた紙を蒼は拾い、ポケットにしまう。
そして二人で両側から蓮を挟むようにして抱え、歩き出した。
「蒼、良かったな、見つかって」
「ありがとう、龍真さん」
無事に蓮を見つけ、樹たち夫婦と再会し、家に帰るのだった。
続く。
目的地に着いたあとの行動を車内で話しあった。樹たち夫婦は話し合うために祖父のもとへ、蒼と龍真が蓮を先に探しにいくことになった。
「蓮兄……」
帰り、部活なんかしないで一緒に帰ればよかった。後部座席に座る蒼は自分が何の役にも立てない悔しさでいっぱいだった。
(遅刻しそうな自分を毎日起こしてくれる兄。
今朝は忘れてたけど……)
「大丈夫、無事に連れて帰ろ」
「龍真さん……」
隣に座る龍真がぽんと頭に触れる。
兄と同じくらい頼りになる存在の先輩。
そして兄の大切な親友。
「そうだ。必ず連れて帰る」
蒼は力強く頷き、窓の外を眺めた。
車はもうすぐ目的地に着くようだ。
車内から見える料亭の看板に、龍真たちは驚く。
「わあ……、まさにお金もちが御用達で来るようなところ」
「ほんとだ……」
車を降りると4人はフロントへと足を踏み入れた。
「蒼、奥の部屋を探してくれ」
「分かった」
短く返事し、龍真と共に料亭の廊下を駆けていく。
「玄関もすごかったけど、中身はまるで迷路だな」
「部屋がたくさんあってわからない」
二人であちこち探すが、何せ老舗の料亭。
広い館内にはいくつもの部屋があり、どこに何があるのかもわからない。
手当たり次第確認していくが、見つからない。
「奥の部屋なんてどこまで行ったらいいんだ?」
「わからない……けど、探すしかない」
ジリリリッ!
額の汗を拭いながら探しまわる二人に突如聞こえた音。
「避難してください」
早く逃げてくださいとの従業員の声に、客たちが騒ぎ出す。
「火事だって?早く避難を」
「来たばかりなのになんで!」
がやがやと騒ぐ周囲を他所に蒼たち二人は客とは違う方向に足を向かわせる。
「こんなときに火事なんて、早く見つけて助けないと!」
蒼たちは焦りながら廊下を進む。
すれ違う客の一人がこちらに走りながら寄ってくる。
そして、すれ違い様に、
「向こうの門曲がったところにいる、安心して」
そう言い、走り去ってしまった。
二人揃ってどう言うことだ?と思いながらも言われた通り門を曲がる。
そこには廊下の壁にぐったりともたれかかるようにして座り込んでいる蓮の姿があった。
「蓮兄!」
「蓮!」
駆け寄り、声をかけるが返事がない。
最悪の事態を想像して蒼が頬に触れた。
「温かい、大丈夫、生きてる」
安堵感が一気に二人を包む。
衣服も上は乱れているも、下はそのままだ。
大丈夫、事は成し遂げられていない、未遂だ。
「どうした?」
「いや、なんでもないよ」
床に落ちていた紙を蒼は拾い、ポケットにしまう。
そして二人で両側から蓮を挟むようにして抱え、歩き出した。
「蒼、良かったな、見つかって」
「ありがとう、龍真さん」
無事に蓮を見つけ、樹たち夫婦と再会し、家に帰るのだった。
続く。