二人の甘い時間
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ー不安を拭い去るには効果的ー
樹がお風呂から上がると彼女はソファに腰をかけ、真剣な顔をしてテレビを観ていた。
冷蔵庫に入っている飲み物を出し、何観ているのか話しかける。
「ねぇ、何観てるの?」
すると彼女がこちらを向いて答えてくれた。
「今、話題の人気のドラマ、《愛に恋する瞬間に》、略して愛恋って言うの」
「そうなんだ、面白いの?」
会話をしながらコップに注いだジュースを飲む。彼女はそうなの!と意気揚々とした様子で話し出した。
「この作品の魅力、それは不倫からなる真実の恋物語なの」
飲んだジュースが気管に入り、盛大に咳き込んでしまう。
「大丈夫!?」
パタパタと近づいて彼女が背中をさすってくれる。
「う……ん、大丈夫」
咳き込みは落ち着いたが、違うところが大丈夫ではない。
「君は不倫の話しに興味が、その……あるの?」
話し辛い内容だか、聞いてみたくなる。
もしかして、自分以外の誰か違う男と出会ってそれこそ不倫になって、恋が愛に……。
恐ろしくなって樹は考えるのをやめる。
彼女はまさかとかぶりを振った。
「このドラマは、主人公の女性が夫に浮気されて泣いているところに、彼女の職場の後輩が登場して、彼女もその後輩と不倫関係になるんだけど、その関係に至るまでの過程が面白いの」
まさに愛に恋するのよねと楽しく語っている。
不倫、浮気、職場の後輩。
どれも樹自身を不安にさせる要素が入っているではないか。
樹はリビングにあるテレビを消しに行く。
「ちょっと待って!今回からスリル満点の度修羅場なんだから!」
返してとリモコンを俺の手から奪おうとする。
「ダメ、返さない」
「今日、リアルタイムで観るの楽しみにしてたんだから!」
揉み合いになり、彼女は頑張ってリモコンをとろうとするが何分俺の方が背が高い。
それにしてもリアルタイムで観るのを楽しみに……。
まさかと思い、録画先のボタンを押す。
そこにはいつの間に録ったのか、愛恋の番組がずらりと並んでいた。
「知らない間に」
「待って、もしかして、やめて」
彼女が静止して自分を落ち着かせようとする。
しかし躊躇わず《消去》のボタンを選択して押した。
全ての愛恋が消えてしまう。
「あー!消した!せっかく録画してたのに!」
ひどいと言いながら彼女は俺を叩いてくる。
「酷いのはどっちだ」
リモコンをリビングの机に置き、彼女と向き合う。
「不倫や浮気や、修羅場とか、どうして君は俺のことを不安にさせるの?」
「え……ただの番組、ドラマじゃない」
「ドラマでも、現実になったらどうするの」
君は結婚して、しかも仕事までしているんだと痛いところをついてやる。
「そ、それとこれとは別だから大丈夫よ」
「別なものか、実際、君の職場に新しく入った後輩の子、確か男だったよね」
「どうしてそれを知ってるの?」
一週間前、年下の男の子が彼女の職場に入社して来た。
彼女にはまだ言っていないはずの情報。
実は家のコネを使ってこっそり調べたのだ。
俺は彼女のこととなるとどんな手を使ってでも調べあげる。
たとえ因縁のある実家であっても、使えるものは使え!の信念だ。
どうなの!と樹が迫ってくるので、彼女も負けじと応戦する。
「樹くんだって最近帰り遅いし、私、一人で寂しいし、構って欲しくなるときもあるんだか……ら?」
あれ、なんだか発言がおかしくなったと彼女は思ったようだ。
寂しい、構って欲しい?
ピタリと彼女の動きが止まる。
「い、今の言葉は撤回!私だってあなたに物申したいことがあるんだから!」
記憶から消してと樹の腕を振り解こうとするがそれはできなかった。
何故なら、俺が彼女の手首を掴まえていたから。
「は、はなして」
「あなたは、寂しかったんだ。一人にしてしまって、構って欲しかったんだね。気づいてあげられずに……ごめんね」
急に態度を改め、優しい口調で謝るので彼女も怒る気が無くなってしまったようだ。
掴まえた手首を引き、自身の腕の中にすっぽりと収めるとそのまま旋毛にキスをする。
(ドラマを観るのは面白かったと言えばそうだが、本心は今さっき出た言葉が本音だったかも知れない)
そう思ったのか素直に彼女は頷いてくれる。
「ドラマ、消してごめんね。今日のリアルタイムの分も」
「私も言わなかったから、ごめんなさい」
お互いに謝り、照れ臭くなったのか彼女が離れようと身を捩る。
だが、抱きしめた身体は離れない。
「あの、そろそろ離して欲しいなぁ……」
「ダメ」
「えっ」
「君が寂しい思いしないように、これからは毎日定時に帰るね。そして、君も後輩に惑わされないようにーー」
樹が彼女の耳元で囁いた。
じっくり身体に覚えさせるから。
樹に抱えられ、待ってと彼女が言ったがその言葉は寝室の奥に入ると共に消えていった。
このあとの展開は次の日、仕事を休まざるを得なくなった彼女を見てもらうとよくわかるだろう。
職場に休む連絡を入れると、《声まで掠れて出ていないなんてお大事にね》なんて言われてしまったようだ。
ー彼女sideー
朝方まで私を泣かせた相手はすっきりとした様子で《今日からは定時に帰ってくるからね》と笑顔で仕事に出掛けて行く。
あちこち身体が痛む上、今日もするのかと思うとやっぱりドラマを観てる方が良かったのかと思う。
樹くんの執着心はかなり重いのである。
END.
樹がお風呂から上がると彼女はソファに腰をかけ、真剣な顔をしてテレビを観ていた。
冷蔵庫に入っている飲み物を出し、何観ているのか話しかける。
「ねぇ、何観てるの?」
すると彼女がこちらを向いて答えてくれた。
「今、話題の人気のドラマ、《愛に恋する瞬間に》、略して愛恋って言うの」
「そうなんだ、面白いの?」
会話をしながらコップに注いだジュースを飲む。彼女はそうなの!と意気揚々とした様子で話し出した。
「この作品の魅力、それは不倫からなる真実の恋物語なの」
飲んだジュースが気管に入り、盛大に咳き込んでしまう。
「大丈夫!?」
パタパタと近づいて彼女が背中をさすってくれる。
「う……ん、大丈夫」
咳き込みは落ち着いたが、違うところが大丈夫ではない。
「君は不倫の話しに興味が、その……あるの?」
話し辛い内容だか、聞いてみたくなる。
もしかして、自分以外の誰か違う男と出会ってそれこそ不倫になって、恋が愛に……。
恐ろしくなって樹は考えるのをやめる。
彼女はまさかとかぶりを振った。
「このドラマは、主人公の女性が夫に浮気されて泣いているところに、彼女の職場の後輩が登場して、彼女もその後輩と不倫関係になるんだけど、その関係に至るまでの過程が面白いの」
まさに愛に恋するのよねと楽しく語っている。
不倫、浮気、職場の後輩。
どれも樹自身を不安にさせる要素が入っているではないか。
樹はリビングにあるテレビを消しに行く。
「ちょっと待って!今回からスリル満点の度修羅場なんだから!」
返してとリモコンを俺の手から奪おうとする。
「ダメ、返さない」
「今日、リアルタイムで観るの楽しみにしてたんだから!」
揉み合いになり、彼女は頑張ってリモコンをとろうとするが何分俺の方が背が高い。
それにしてもリアルタイムで観るのを楽しみに……。
まさかと思い、録画先のボタンを押す。
そこにはいつの間に録ったのか、愛恋の番組がずらりと並んでいた。
「知らない間に」
「待って、もしかして、やめて」
彼女が静止して自分を落ち着かせようとする。
しかし躊躇わず《消去》のボタンを選択して押した。
全ての愛恋が消えてしまう。
「あー!消した!せっかく録画してたのに!」
ひどいと言いながら彼女は俺を叩いてくる。
「酷いのはどっちだ」
リモコンをリビングの机に置き、彼女と向き合う。
「不倫や浮気や、修羅場とか、どうして君は俺のことを不安にさせるの?」
「え……ただの番組、ドラマじゃない」
「ドラマでも、現実になったらどうするの」
君は結婚して、しかも仕事までしているんだと痛いところをついてやる。
「そ、それとこれとは別だから大丈夫よ」
「別なものか、実際、君の職場に新しく入った後輩の子、確か男だったよね」
「どうしてそれを知ってるの?」
一週間前、年下の男の子が彼女の職場に入社して来た。
彼女にはまだ言っていないはずの情報。
実は家のコネを使ってこっそり調べたのだ。
俺は彼女のこととなるとどんな手を使ってでも調べあげる。
たとえ因縁のある実家であっても、使えるものは使え!の信念だ。
どうなの!と樹が迫ってくるので、彼女も負けじと応戦する。
「樹くんだって最近帰り遅いし、私、一人で寂しいし、構って欲しくなるときもあるんだか……ら?」
あれ、なんだか発言がおかしくなったと彼女は思ったようだ。
寂しい、構って欲しい?
ピタリと彼女の動きが止まる。
「い、今の言葉は撤回!私だってあなたに物申したいことがあるんだから!」
記憶から消してと樹の腕を振り解こうとするがそれはできなかった。
何故なら、俺が彼女の手首を掴まえていたから。
「は、はなして」
「あなたは、寂しかったんだ。一人にしてしまって、構って欲しかったんだね。気づいてあげられずに……ごめんね」
急に態度を改め、優しい口調で謝るので彼女も怒る気が無くなってしまったようだ。
掴まえた手首を引き、自身の腕の中にすっぽりと収めるとそのまま旋毛にキスをする。
(ドラマを観るのは面白かったと言えばそうだが、本心は今さっき出た言葉が本音だったかも知れない)
そう思ったのか素直に彼女は頷いてくれる。
「ドラマ、消してごめんね。今日のリアルタイムの分も」
「私も言わなかったから、ごめんなさい」
お互いに謝り、照れ臭くなったのか彼女が離れようと身を捩る。
だが、抱きしめた身体は離れない。
「あの、そろそろ離して欲しいなぁ……」
「ダメ」
「えっ」
「君が寂しい思いしないように、これからは毎日定時に帰るね。そして、君も後輩に惑わされないようにーー」
樹が彼女の耳元で囁いた。
じっくり身体に覚えさせるから。
樹に抱えられ、待ってと彼女が言ったがその言葉は寝室の奥に入ると共に消えていった。
このあとの展開は次の日、仕事を休まざるを得なくなった彼女を見てもらうとよくわかるだろう。
職場に休む連絡を入れると、《声まで掠れて出ていないなんてお大事にね》なんて言われてしまったようだ。
ー彼女sideー
朝方まで私を泣かせた相手はすっきりとした様子で《今日からは定時に帰ってくるからね》と笑顔で仕事に出掛けて行く。
あちこち身体が痛む上、今日もするのかと思うとやっぱりドラマを観てる方が良かったのかと思う。
樹くんの執着心はかなり重いのである。
END.