ぬらりひょんの孫 二次創作
師走の始め、冬の産物である雪が降り始めた頃、鯉伴は寺子屋からなかなか帰宅しない乙女が心配になり、彼女を迎えに奴良家の門を出た。
「山吹、こんだけ寒いのに大丈夫かぁ?」
江戸の町並みを真っ白に染めてゆく雪を眺めながら、鯉伴は乙女の姿を探した。
※
乙女の姿を探していた鯉伴は道中、道端に座り込む女性の姿を見つけ立ち止まった。
後方になびく艶やかな黒髪は紛れもなく探し人の乙女であった。しかし彼女は鯉伴の気配に気づくことなく何やら一生懸命になって作業しているようだった。
その様子を眺めていると彼女は立ち上がり、こちらへと振り返る。
「あ……鯉伴さま」
「道端に座り込んでなにしてんだ?早く帰らねぇと」
乙女は驚いた表情を見せたが、直ぐに笑みを浮かべた。
「鯉伴さま、実は……」
「ん?」
乙女はちょこんと真っ白な物体を夫へと差し出した。
「山吹?これは……」
不思議そうに眺める鯉伴に、乙女は嬉しそうに話し出した。
「これは、雪うさぎです。寺子屋の子どもたちが作っていたのを思い出して、私も作ってみたんです。鯉伴さまにお見せしたくて」
鯉伴の片方の手のひらに載せると、乙女ははぁっと白い息を自分の手に吹き掛ける。
その際、乙女の指先が真っ赤になっていることに気がついた。
「山吹……」
寒い中、自分の為に雪うさぎを作ってくれた妻の優しさに鯉伴は心の中が温かくなるのを感じた。
そして、かじかむ手を温めようとしていた乙女の身体を鯉伴は引き寄せる。
「こうやってくっついたら、あったかいなぁ。山吹」
「り、りはんさま!!」
乙女は頬を赤くしながら鯉伴を見上げる。
ここが人々が多く往来する通りでないことに安堵しつつ、乙女は夫の温もりに触れ、幸せな気持ちで帰路へと着くのであった。
~END~
「山吹、こんだけ寒いのに大丈夫かぁ?」
江戸の町並みを真っ白に染めてゆく雪を眺めながら、鯉伴は乙女の姿を探した。
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乙女の姿を探していた鯉伴は道中、道端に座り込む女性の姿を見つけ立ち止まった。
後方になびく艶やかな黒髪は紛れもなく探し人の乙女であった。しかし彼女は鯉伴の気配に気づくことなく何やら一生懸命になって作業しているようだった。
その様子を眺めていると彼女は立ち上がり、こちらへと振り返る。
「あ……鯉伴さま」
「道端に座り込んでなにしてんだ?早く帰らねぇと」
乙女は驚いた表情を見せたが、直ぐに笑みを浮かべた。
「鯉伴さま、実は……」
「ん?」
乙女はちょこんと真っ白な物体を夫へと差し出した。
「山吹?これは……」
不思議そうに眺める鯉伴に、乙女は嬉しそうに話し出した。
「これは、雪うさぎです。寺子屋の子どもたちが作っていたのを思い出して、私も作ってみたんです。鯉伴さまにお見せしたくて」
鯉伴の片方の手のひらに載せると、乙女ははぁっと白い息を自分の手に吹き掛ける。
その際、乙女の指先が真っ赤になっていることに気がついた。
「山吹……」
寒い中、自分の為に雪うさぎを作ってくれた妻の優しさに鯉伴は心の中が温かくなるのを感じた。
そして、かじかむ手を温めようとしていた乙女の身体を鯉伴は引き寄せる。
「こうやってくっついたら、あったかいなぁ。山吹」
「り、りはんさま!!」
乙女は頬を赤くしながら鯉伴を見上げる。
ここが人々が多く往来する通りでないことに安堵しつつ、乙女は夫の温もりに触れ、幸せな気持ちで帰路へと着くのであった。
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