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サン光

‪今日はエイプリルフール。様々な人達が思い思いの嘘をついては笑い合える、穏やか(?)な日。‬
そんな日に、この目の前であちらこちらと視線を忙しなく動かす愛しき光もまた、その日に乗っとって何かしら嘘をついてくれるのだろうと、少しばかり自分も楽しく感じてしまった。

「どうした?」

一体どんな事を言われるのかと、それじゃあ俺はどんな嘘を突き返してやろうかと、懐かしくも悪戯心が鎌首がもたげ始めた頃、視線がパチリとかち合った。
1度2度、口が開閉され喉の奥から言葉を絞り出そうとしている姿に、そんなにも言い難い事でも言うのか?と首を傾げて見せれば、「ええと」と漸く音が発せられた。

「実は私…」

「あぁ」

「サンクレッドの事が、本当は…」

なるほど。なんて在り来りな嘘をつこうとしているんだ。
続く言葉を理解はすれど、嘘だとわかっていても、わかっていてなお少し刺さりそうで困る代物。
しかし、その在り来りな幼い嘘をつくのにもそこまで躊躇ってくれるのかと嬉しくもなってしまい。
それに対して俺は態とらしく傷付いてやり返してやろうか、それとも本気っぽく演じて困らせてやろうか、そう考えつつも続きの言葉を待てど音は紡がれない事に名前を呼んでやれば、下がりきった眉の下で狼狽えていた瞳が伏せられた。

「嘘ついていい日だけど…それでもやっぱり『好きじゃない』とは、言えないな」





「エタバンしよ」

――エタバンしよ――

これは嘘じゃないぞ。

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