処女の陰核とノーパンと文化・社会

マヤは夜のシャワーを浴びながら、今日の「陰核文化社会論」の授業を振り返っていた。
頭の中で「陰核」という単語を繰り返していた。陰核は女性の性的な快感の中心であり、女性の性を理解するために重要な概念だという先生の話を思い出していた。

「陰核が、女性の性的快感の中心なんだ…」と思いながら、マヤは陰核を直に触り始めていた。
「ああ…」と溜め息が出るほど、感度が高まっていた。陰核がこんなに大切なのかと知って、自分自身の性的な自己探求がますます深まっていくような気がした。

性的行為を男性中心の視点から解放することや、女性自身が自分自身の性的快楽を追求することが重要。先生はそう言っていた。
そのためには、これからもっともっと自分自身を知っていくことが必要で、性的な自己理解を深めてゆかないといけない、マヤはそう思った。
でも「まだ処女」であるマヤにとって、性的な事柄というだけで、なんとなく不安な気持ちがわきあがってくる。先生が言っていたように、正直に自分の感情に向き合うことが、自己実現につながる第一歩となるのかもしれない。

「私は、自分自身を知りたいんだ…」と、ほかに誰もいないのに、マヤは声に出していた。

シャワーの水流が体を包み込むように流れて落ちてゆく。
股間を洗い流すためにシャワーの水流を向けると、陰核にあたった。そして授業中の感覚を思い出した。女なのに陰核についてちゃんと考えたことがなかった。陰核は鍵、女性の性的な鍵だという見方があった。その鍵について知ったマヤは、自分自身の性的な欲求について考えはじめたのだ。

シャワーの水流を陰核に直接あてると、陰核が膨張して感度が高くなる感覚がうまれた。少し痛いような、それでいて気持ちいいという感じ。股間を洗うため、とマヤは自分に言い聞かせながら、陰核へと指を伸ばした。初めはおそるおそる撫でていたが、だんだんと勇気を出して、よりはっきりと触れる。すると、熱くなってくる感覚が体中に広がってくる。授業で教わったことが今、私自身の身体で実感となって表れている、マヤはそう思った。

水流を強めにして指を押し付けるように強めにこすると、どんどん気持ちよくなってきた。マヤは自分が性的なことにも興味を持ちはじめていることをはっきりと自覚した。これまで、自分自身の身体をよく知らず、性的な快感について深く考えたことがなかったけれど、授業で学んだことが、自分自身の身体を理解するきっかけとなったことは確かだった。

「陰核って、こんなに感じるんだ…。」マヤは自分自身の陰核に興味津々なってきた。「処女なのに…。」と思わず口にしてしまった。なんだか恥ずかしい気持ちになっていた。

シャワーを止めて浴室を出ると、身体が熱くなっていた。
そういえば先生は授業でこんなことも言っていた。
「みなさんは、自分自身の陰核をよく見たこと、観察したことがありますか?陰核は、女性にとって性的快感の中心でありながら、自分自身の陰核を直視することは難しい部位でもあります。性的なことは考えたくない、という意味でもありますが、文字通りの意味でもあります。陰核は、二重の意味で『秘められた場所』だったのです。」

この秘められた場所について、もっともっと知りたいし、知らないといけない。
さっきまで丁寧に洗っていた、そして快感を生み出していた陰核を、マヤは初めてスマホで撮ってみた。
「こんな形をして、こんなに…」陰毛に覆われつつある股間の秘所は、少しいやらしく、変な感じがした。
「私は、処女であることを恥じる必要はない。私は自分自身を理解し、自分の性的な欲求に正直でありたい」といやらしさを振り払うように、マヤは自分自身に言い聞かせた。
スマホの画像はすぐに消してしまったけれど、マヤは新しい自分を見つけるために、性的快感を求める自分自身をもっと考えようと思った。

「私はこれから、もっともっと自分自身を知っていくんだ…」
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