緑の風ー3
「え?鳳珠に[#da=2#]ちゃん?今日はおやすみじゃ…」
公休日に侍郎室に官服姿で現れた二人に柚梨が目を見張る。
黙って尚書室に入ると、不思議そうな顔をして柚梨は大人しくついて入った。
「[#da=2#]、準備を。私は茶を淹れる」
「柚梨様、お午はめしあがられました?」
「今日は少し出たのが遅かったから、お弁当は持ってこなかったんですよ」
「では、こちらを」
買ってきたお饅頭を広げて「私たちもまだなんです」と話す。
その横に、色の違う小皿を3つ並べて、白い粉を入れた。
「それは?」
「いただきながらお話ししましょう。お饅頭はこちら側から順に食べてくださいね。お茶も多めに出てくると思いますから」
お饅頭が半分ぐらいになったところで
「お二人とも、こちらの味見をしてみていただけますか?そうですね・・・黄色いお皿から」
と唐突に桃華が言った。
鳳珠は2つは先程の店で買ったものと分かったが、3つ目が何かはわからない。
まぁ考えがあるのだろう、と黙って手に取り舐める。
「柔らかくて美味しいですね」柚梨が一言言った。
「お茶をいただいて、真ん中の青のをお願いします」
同じように、味見する。先程のよりは劣るが、まぁ悪くない。
「最後に、こちらの赤いお皿を」
柚梨が顔を顰める。
「[#da=2#]ちゃん、これは、いったい…?」
「お口直しにお茶とお饅頭の続きをいただきましょう。一番端は甘いものも入ってますよ。」
三人は3つの皿を見つめながら、饅頭に手を伸ばす。
「いただきながら少しずつお話ししましょうか?」
[#da=2#]が鳳珠を見上げると頷いたので、「用があって街に出かけたのですけれど…」と先程の話をはじめた。