桃色吐息
絳攸がいなかったので、黎深、百合、[#da=2#]というあまり集まらない3人での食事となった。
「[#da=2#]が結婚かぁ〜あの美人さんなら大事にしてくれるだろうから心配ないわね」
「大事にしなかったら、黄家丸ごと潰してやる」
「はいはい、そんな物騒なこと言わないの。それにしても、[#da=2#]の花嫁姿、綺麗だろうな〜〜」
「ふん、当たり前だ」
久しぶりに二人の仲がいい様子を見ることができて嬉しかったが
”花嫁姿”に少し気持ちが落ち込む。
(やっぱり)
百合は黎深から、帰ってきて[#da=2#]の結婚準備を、と言われて戻ってきた日に鳳珠から少し元気がないと聞いている、と言われていたので
大方の予想はつけていたが、案の定だった。
「大丈夫よ、どんな超絶美人でも、花嫁の美しさには負けるわ」
「そうでしょうか・・・」
「大丈夫。[#da=2#]はもともと後宮1、2を争う美人で可愛いと評判なんでしょう?紅家から送り出すんだから、彩雲国一の花嫁になるわ、自信を持ってちょうだい」
我ながら単純だな、と思ったけれど、
百合に励まされて、少し気持ちが上向いた[#da=2#]だった。
桃華を後宮に帰してから、百合はブスッとしている黎深に黙って酒を出した。
「飲みた気分なんでしょ?」
「ふん・・」
「花嫁の父、の気持ちなのかなぁ。君もフクザツなんだね。[#da=2#]は邵可様が後見だけど、この家か本家にいるほうが長かったものね」
「知った風なことを」
「美人さんは・・・紅家とはよほど縁があるんだね」
「フンっ知るか!」
「よしよし、今日は付き合うよ」
「子供扱いするなっ」