桃色吐息
「はぁ」
何度目とつかないため息をついた。
鳳珠からプロポーズされて幸せだが”結婚”となるとまた別の思いも出てくるもので・・・
特にあちらは黄家、こちらは紅家とはいえ私は傍流
それになんと言ってもあの顔だ。
どちらが花嫁かわからなくなるのは間違いない超絶美人。
恋人同士の甘い時間を重ねて(といっても最後まではまだ)、だいぶ慣れたつもりでも油断すると息が止まりそうになるのに、結婚式であの顔を晒した日にはどうなるものか…
かといって、顔が全てじゃないとはいえ、鳳珠の顔は好きだし、乙女心はあるのであまり仮面と結婚式を挙げたいものでもない。
考えたくもないが、仮に鳳珠と結婚する人が他にもいたら
全員共通の悩みになるだろう・・・とため息しか出ないのである。
(いっそのこと、結婚式なしにしてもらうかな・・・)
家格を考えたら許されるものではないので、
思うだけ無駄だが、そうしたいぐらいの気持ちだった。
「はぁ」
何度目とつかないため息をついた。
鳳珠からプロポーズされて幸せだが
”結婚”となるとまた別の思いも出てくるもので・・・
特にあちらは黄家、こちらは紅家とはいえ私は傍流
それになんと言ってもあの顔だ。
どちらが花嫁かわからなくなるのは間違いない超絶美人。
恋人同士の甘い時間を重ねて(といっても最後まではまだ)
だいぶ慣れたつもりでも油断すると息が止まりそうになるのに
結婚式であの顔を晒した日にはどうなるものか・・・
かといって、顔が全てじゃないとはいえ、鳳珠の顔は好きだし
薹がたっているけどそれでも
乙女心はあるのであまり仮面と結婚式を挙げたいものでもない。
考えたくもないが、仮に鳳珠と結婚する人が他にもいたら
全員共通の悩みになるだろう・・・とため息しか出ないのである。
(いっそのこと、結婚式なしにしてもらうかな・・・)
家格を考えたら許されるものではないので、
思うだけ無駄だが、そうしたいぐらいの気持ちだった。
[#da=2#]にはもう一つ悩みがあった。
折に触れて何か贈り物をしてくれるのだが、こちらから返せるものが何もないのだ。
「何もいらないよ」と言ってくれるのはわかっているが。
言っても黄家のおぼっちゃま。
自分の力で手に入らないものは人の心以外何もない。
邸にも何度も行っているが、それは見事な超一流の趣味のいいものに取り囲まれている。
何をあげても霞むことはわかっているし、
彼に合うものを、と思いながらもいいものが浮かばないのだ。
さらに、それを相談するのに適した相手がいない。
紅家は男兄弟だし、百合に相談するのは鳳珠の過去を聞いているので
なんとなく憚られていた。