序章〜1
名前設定
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三日後の朝、月華は侍童姿で皇毅と一緒に出仕した。
「名はどうするんだ?」
「[#ruby=雲_うん#]、と呼んでください」
「お前の名前に何も絡んでいないが?」
「いずれ、わかります…」
小声で話しながら歩き、旺季の室の前に立つ。
皇毅が挨拶をしながら中に入り、雲も続いた。
「今日から、私の手伝いをしてもらう侍童をつけました。名前は、雲です」
「雲です、よろしくお願いいたします」
きちんとお辞儀をして顔を上げると、旺季と視線があった。
「随分小さいの連れてきたな。大丈夫か?」
「1ヶ月、吟味した結果です」
「そういや、お前の邸から侍童の服が欲しいと依頼があって渡したが…まさか月華か?」
「はい」
「・・これは随分と、化けたもんだな」
旺季は月華を上から下へ何度も視線を往復させてから、「信じられん」と呟いた。
数日後、御史たちの間で、皇毅が時折、随分と小さい侍童を連れて歩いていることが話題になり始めた。
まだあちこち遣いに出るというわけではなく、もっぱら旺季と皇毅の間、あとは資料室あたりにいることが多いということで、資料室で待ち伏せして声をかける者も出てきた。
日頃殺伐とした御史台官たちの間では、雲は癒しの存在として可愛がられることになる。