序章〜1
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仕事にかこつけて逃げ出さないため、とわざわざ旺季に迎えに来られた皇毅は、そのまま共に旺季邸へ向かった。
室が近づいてくると、いつになく上機嫌な晏樹と陵王の声がして、二人は一度立ち止まって顔を見合わせた。
「どう思う?」
「晏樹があれだけはしゃいでいるということはロクなことがないでしょう」
「だな」
と言いながら、扉を開いて一歩入り、二人の動きは完全に止まった。
中には、まだ幼女といっていいぐらいの背丈だが、それにしては大人びた雰囲気を持つ少女。
「「飛燕・・・」」
旺季と皇毅の声が重なる。
晏樹と陵王は顔を見合わせ、少女は静かに礼をしてから口を開いた。
「初めまして。お父様、皇毅さん‥」
「っ…」
二人揃って息を呑む。
「った〜く、その反応見てると、お前ら本当の親子みたいだな」
「悔しいけど、ボク、今のは認めちゃうよ」
陵王が豪快に笑い、晏樹は口を尖らせつつもおもしろそうに笑った。
「ほらほら旺季様、何か返してあげてくださいよ。小さなお姫様がお辞儀をしたまま固まっていて可哀想じゃない?」
晏樹に促され、はっと我に返った旺季は「楽にしてそこに座りなさい」と促した。