序章〜2
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
時が流れ、激化してきた王位争いを受け、旺季は月華の侍童仕事を中断させた。
食糧が不足して、民が飢えているというのは邸の中にこもっていても聞こえてきた。
当然、皇毅からも旺季からも外に出ることは禁止されているので、邸の中で鬱々と過ごすばかりだ。
月華が管理していた官給田の米はある程度備蓄してあったが、全ての民に配るほどはない。
仮に一カ所を救っても他が救えない、ということで皇毅からは反対されたが、それでもこっそりと、僅かずつだがないよりマシ、と侍女を使って近隣には配っていた。
(そのことで後に近隣で葵家の株が上がることになる)
力を使って誰が残るかを見極め、まとめたものを旺季には渡しておいた。
「お義父様はいつか第六王子を誘うと思います。が、彼は来ないでしょう」
言葉の意味を聞かれたが、その通りにしか答えなかった。
最後に生き残ったのは第六王子。
おそらく、霄瑤璇が彼を残したのだろう。
(彼がいなくなれば、次の王はお義父様…)
”敢えて”残したのか
はたまた”仕方なく”残したのか
あの子供だった第六王子が、どう王として化けていくか。
力を使って先を見た月華は、はぁ、と大きくため息をついてから、どの道を選ぶべきか頭の中で考えたが、答えは出なかった。