序章〜2
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(思いがけず国試派と接点を持ってしまった…)
月華は旺季たちに話すべきか迷ったが、今日のところはまだいいかと判断をした。
それよりも、あの時に黄奇人が女かと言ったことと、”小さすぎる侍童”の時に少し目を細めていた鄭悠舜の表情、その二つが心の中で引っかかっていた。
(あの人たちに会わないように、府庫の近くにはしばらく近づかないほうがいいかしらね)
あの突き飛ばしてきた紅黎深は紅家当主だ。
こちらの身がバレた場合、何かと厄介になる可能性が高い。
(それから、府庫の紅邵可…)
璃桜様が怒っていた人だというのはすぐに思い出した。
あの様子からは考えにくいが、薔薇姫を奪って行ったのは彼だという。
縹珠翠もその時に連れて行ったと聞く。
ある程度まで縹家で育てられたとしたら、同じように兇手としての技は持っていると想像できる。
(縹月華を知っているとは思えないけれど、侍童の雲が縹家の娘だとわかった時は確実に消しにかかってくる可能性はある…)
そこまで考えて、ふと思い当たった。
”桃仙人”は、それを踏まえて”府庫と後宮に近づくな”と言ったのか、と。
(それとも、単に国試派が嫌いだから?)
考えても答えは出ないか、と月華は首をふるふると振って、桃仙人を思考から追い出した。