序章〜2
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程なくして、月華の希望が叶い、面会の場が設けられた。
もっとも、侍童姿のまま会うことになった。
旺季曰く、この二人ー特に霄瑤璇なら隠していてもバレる、ということらしい。
「わしらに会いたいというのは”小さすぎる侍童”じゃったか。旺季殿の養女とな?」
霄がフォフォっと笑って品定めをしてきた。
「まぁそう言うな。私が茶鴛洵だ。妻とやりとりがしたいと旺季殿が言っていたが?」
「はい、こちらの御文をお届けしたいのです。気になるようでしたら、内容は見ていただいても構いません」
「わかった。私の方から出しておこう」
茶は宛名を見て顔を顰めた。
明らかに読めない文字で書かれている。
(確かこの字は縹家の…そうか…)
「内容を見ても構わない、か。なるほどな。ま、見はせぬよ。これじゃあ無理じゃ」
ひらひらと手紙を振ってから懐にしまった。
「で、政を勉強したい、と?」
「はい、基本的な教育は向こうで受けてきましたので、政について」
「ある程度のことは知っておろう?」
「おそらくは…でも、一般的なことと、少し情報が古いと思われます。今後を見据えて…」
霄の顔色がパッと変わった。
「わかった。私たちで見てやろう」
「瑤璇?」
「頼んだぞ、鴛洵」
「わしか?」
「あぁ」
霄の様子に先ほどの文。
茶はしばらく考えてから「わかった」と答えた。
「それからもう一つ…」
「なんだ?剣か?」
「いえ…梨園で楽と舞を教えていただきたく」
「…よかろう、頼んでみよう」
少し間を置いてから答えた霄の様子に、瑤璇もこの娘も考えていることがよくわからないな、といったふうに茶が見つめていた。