第七章〜VS◯◯
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日が中天を過ぎて少しした頃、疲れた表情で戸部の高官三人は執務室に戻ってきた。
(景侍郎と紅尚書補佐は明らかに、そして顔は見えないけれどあの様子の尚書はかなり疲れている!)
謝光泉はすぐに立ち上がり「休憩のお茶がまだでしたね、淹れましょう」と準備を始めた。
尚書室に入った三人にお茶を渡す。
昼間、頼まれていたことを伝えようかと思ったが、明らかに疲労の色が見て取れたのでやめた。
(今日は無理だと伝えにいかなければ)
その後、書翰周りを買って出て、光泉は戸部を出た。
「さすがに…」
「疲れたな」
「はい…」
三人は長椅子に座り、はぁ、とため息をついてから茶を手に取った。
仮面を外した鳳珠を見て「さすがにあなたもぐったりした顔をしてますよ」と柚梨が言う。
春麗は立ち上がって小さなおやつをとり、二人に渡した。
「春麗ちゃん、あの場でははっきり言ってませんでしたけどなぜ黄姓ではなく姫姓を要求したのですか?」
その場で聞けなかったことを柚梨は聞いた。
「それは…この先もし、鳳珠様がご当主になられた時に、黄姓だといろいろ面倒が起こるかと思いまして…。具体的に何がどうこう、というわけではないんですけれど、明言してませんでしたが、あの話の通り、仮に秀麗が貴妃になると、黄家も想定以上に巻き込んでしまうことになりかねないですし、なんとなくややこしいかな、と…それよりも、そのあとのお話ですよね…」
春麗の改姓の話が決まり、邵可と黎深が退室してからの議題は、春麗の異動についてだった。
「集められたのが前段の話でも必要だった人たち、いうのもありますけど、ほぼ宰相会議の様相を呈していただけでなく、御史台長官と吏部尚書がいたわけが分かりましたよ。あなたは…官吏の黄奇人としては初の女人官吏の紅春麗の地方での経験は賛成だけれど、黄鳳珠として妻の紅春麗が地方に行くのは反対、って顔してましたね」
「お前は…相変わらず仮面の下を読むな」
少し不機嫌そうに鳳珠は柚梨に言った。
「そうだったんですか?」
春麗は少し意外そうな表情をする。
「そりゃあ、そうだろう…だが、女人官吏の”紅春麗”にはやってもらうことがたくさんあるのだ。結婚した時からそういうこともあり得ると覚悟は決めていたし、ある程度の期限も区切ったことだし、黄州なら休みさえ取れればなんとかなる、とこの前わかったからな。それに、州尹邸は
「そうでしたね…」
今度は柚梨が意外そうな顔をしたのを見て、春麗が「先日、結婚式で帰ったときに…」と話し始めた。