第七章〜VS◯◯
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玉蓮が晏樹から絡まれる騒動がひと段落した頃、朝の出仕時にそれは起こった。
「ねぇ飛龍くん、なんか視線を感じるんだけど…」
玉蓮は前を向いたまま小さい声で共に出仕している同期の管飛龍に話しかけた
「確かに…だが俺たちになのか?」
「わからない…どうしよう、やっぱり少しぐらい護身術とかやっておけばよかったなぁ」
「どういていきなりそう話が飛ぶんだ?」
(普通は、つけているのが破落戸かそれとも物取りか、とかとかそっちを機にするだろう)
飛龍はそういえば[#ruby=玉蓮_コイツ#]は少し変わった奴だった、と思い出してから笑った。
まぁ、自分でなんとかしたい性格なんだろうな、と一人結論つける。
「飛龍くん、礼部に同期の女人官吏が一人いたよねぇ?」
「あぁ、いるぜ。担当が違うからあまり話はしないけどな」
「その人に、誰かにつけられていたりしないか、聞いてみてもらってもいい?私たちが目当てなのか、私だけなのかそれによって変わってくると思うの。お午ごはんの時に聞かせてください」
「わかった。あいつ、確か他の女人官吏と仲がよかったはずだから、他にも聞いておいてもらうようにするよ」
お願いします、と玉蓮は頼んだ。
「じゃ、そろそろ一斉に振り返ってみるか」
「せーの」
バッと二人は振り返る。
だが特に怪しい人材はいなかった。
「気のせいだったかなぁ」
首を捻る玉蓮を見て、飛龍は嫌なことがよぎった。
(いや、気のせいというより…余程の手練れとみた方がいいかもしれないな。だがまだ玉蓮にいうのはやめておこう)
「そんなことより、早く行こうぜ。宮城の中に入って仕舞えば、破落戸なら追って来れないだろう」
「そうだね」
玉蓮を促して、二人は足早に宮城に向かった。
その様子を柱の影から見守る人が一人と、木の上から見守る別の影があったことに、彼らはまだ気がついていない