第六章〜VS晏樹2
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志美から正式に悠舜に話が伝わり、悠舜から叱られたにも関わらず、晏樹の玉蓮へのちょっかいは続いていた。
「玉蓮、凌晏樹殿に毎日足止めされているみたいですね」
後少しで上官が長期休暇から戻ってくる、という日にようやく早めに帰れた柚梨は、久しぶりの自邸での夕食時に気になっていたことを聞いてみた。
「うん、もう毎日だよぉ〜最初はハチマキさんが助けてくれてたんだけど、最近は
(ハチマキさん?もしや?)
柚梨はある人物が頭に浮かんだが、後での確認と話を進めた。
「劉尚書から鄭尚書令に申し入れもされたと聞きましたけど、ダメみたいですね…」
「話すこともないからさ、はいはい、さようさよう、って感じで相槌打つしかすることとないんだけどね、かといってちゃんと聞いてないと危ないから神経使って疲れるよ。話も別にどうってことないし、なんか鳳珠様の顔を知っているか、とか、春麗ちゃんより紅秀麗さんの方が人気がある、とかほんとどうでもいい話ばかり」
(旺季殿の件があったからまた妙なことを考えているかと思いきや、絡み方は意外とくだらないことですね…)
柚梨は心の中で若干呆れながら、眉間に皺をと寄せている娘の難しそうな表情を見て、少し笑った。
「そういえば、父様と揉めたことがある、と鄭尚書令から聞いたんだけど、フワフワさんから父様の話は出ないんだよね。あ、でも六部の中で戸部が一番気に入らない、って言ってたけど、そんなこと言われても、ねぇ」
はぁぁ〜〜と盛大にため息をついてから玉蓮はごくっとお茶を飲んだ。
「でもね、近いうちにハチマキさんがなんとかしてみる、って言ってくれたんだ。ハチマキさんは父様と揉めた話の時も、すごい勢いで止めていたから、何かと気を遣ってくださってるんだと思うんだ〜」
「玉蓮、さっきから聞こうと思っていたが、その、ハチマキさんと、もしや・・・」
「葵長官だよ、ハチマキしてるでしょ??フワフワさんは凌長官」
(やっぱり…)
柚梨はガクッと項垂れてから葵皇毅が”ハチマキさん”と呼ばれたと知った時の不機嫌な顔を想像し、
「頼むからご本人には言わないようにな」
とだけ告げた。
「え〜だめかなぁ?ハチマキさんはいつもブスッとしてるけど、助けてくれるし、結構優しいよ?」
「それでも、だめです」
「そっかぁー」
「もうすぐ鳳珠たちが帰ってきますからねぇ、帰ってきてから鳳珠が聞いて凌晏樹殿に怒鳴り込みしないといいんですけど」
以前からちょっかいを出されていることは知っていたが、
柚梨はちょっと面倒な場面を想像して、はぁ、とため息をついた。
「フワフワさんって、春麗ちゃんにも結構絡むんだよね。春麗ちゃんのあしらい方を真似してるんだけど、こんなに絡まれてたのか今度聞いてみよう」
「そこまで毎日ではなかったと思いますけどね…凌長官は御史台にいる秀くん…紅秀麗官吏の方には相当絡んでいたようですけど、春麗ちゃんはどちらかというと、葵長官の方がよく話してた気がするけどね」
「そうなんだ〜ハチマキさんは、春麗ちゃんの方がお気に入りなんだね。でもハチマキさんなら実は優しいし、理不尽なことは言ってこなさそうだからよかったよ。あ、ハチマキさんって、ちょっとほーじゅさまっぽいよね」
(葵皇毅が優しい?別の意味で厳しいけど…まだ玉蓮には伝えなくていいか)
キャハハと楽しそうに笑う玉蓮に対し、柚梨は娘の独特な感性は意外と的をついていることを知っているので、曖昧な表情をしてから、軽く頭を撫でた。