第五章〜VS晏樹
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その翌日、回廊を荷物を抱えて歩いていた景玉蓮は…またしても凌晏樹に捕まっていた。
「ねぇ、そんな大荷物持って、どこ行くの?」
「書翰周りです。先を急ぎますので失礼させていただきてもよろしいでしょうか?」
「そんなに嫌がらなくたっていいじゃない?僕のこと、嫌い?」
「・・・」
じとっとした眼で見た玉蓮に晏樹が「女の子はそんな顔しちゃダメだよ」と諭した。
(どうやら、今日はハチマキさんは来てくれない、と…これは自力で逃げないとダメなやつかなぁ)
玉蓮は小さくため息をついてから、もう一度頭を下げながら、さてどうやって逃げようかと考えていると、「まぁまぁ晏樹、ほどほどに」と声がかかった。
コツン、という杖の音に顔を一度上げてからそちらを向き直ると、悠舜が立っていた。
「こんにちは。荷物があるのでこんな形で申し訳ございません」
玉蓮は丁寧に前置きをしてから、悠舜に礼を取る。
「構いませんよ、随分たくさん持たされていますね?私宛のものもあるでしょう?」
「ちょうど、尚書令室にお届けしとうとしていたところです。凌長官にお声をかけられ遅くなっております、申し訳ございません」
玉蓮は意図的に晏樹のせいにしつつ、少しすまなそうな表情で悠舜を見上げた。
毎度毎度絡まれているのだ、このぐらいやってもバチは当たらないだろう、と心の中で思った。
途端にムッとした声で「え?僕のせいなわけ?」という晏樹の声が聞こえたが、玉蓮は無視してそのまま悠舜を見つめていた。
その様子に悠舜は小さくため息をついてから、晏樹の方に視線を移した。
「晏樹、噂は本当だったんですね?」
「噂?何それ??」
晏樹はポカンとした表情で悠舜を見た。
「凌晏樹は景玉蓮にご執心」
呆れた表情で言い放った悠舜の顔をポカンとみてから、
「はぁぁぁぁ???」
と盛大に声を出して、何言っちゃってるの、と晏樹は鼻で笑った。
流石に、自分のことを言われた玉蓮も目が点になっている。