第五章〜VS晏樹
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二人の背中が見えなくなったあたりで、ため息をつきながら皇毅は晏樹を見た。
「全く、景玉蓮とみればすぐに絡んで」
「そんなに気に入らない?あのお嬢さん、父親に似て僕に楯突くんだもん」
「景柚梨は楯突いたというよりは、あの時は意見の相違だろう。気に入らんが、考え方の一つとしては間違ってるわけではない。大体それを根に持って、あの娘にお前が変な絡み方したから返したにすぎない。やりすぎると何処かから苦情が入るぞ」
「僕に言ってくる人間なんている?」
「例の件でお前は、敢えての不問になっているだろう?つまらないことで足元救われるな。悠舜がいるからいいようなものの…」
「特に側近たちは納得いってないだろうね」
ふふん、と晏樹は笑った。
「でも、悠舜は僕を処分したりしないよ。むしろ、あの側近たちは自分が常に正しいと思っていることが間違ってる。悠舜が処分しない限り、主上も何も言わないさ」
「それはそうだが、多少は気をつけろ」
「へぇ、皇毅、僕の心配してくれるの?嬉しいね」
素直に嬉しそうに晏樹が皇毅の周りをつきまとう。
うざったそうに袖で払って、さて、仕事に戻るか、と言いながら皇毅は回廊へ足を向けた。
「旺季様の件、か…それにしても、悠舜はうまく治めたものだねぇ」
晏樹は机に置き去りにされた桃を取り、しばらく物思いに耽ってから皇毅の後を追った。