第四章〜研修編3
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その頃、礼部の控室に戻った進士たちは、それぞれ配属について話し合っていた。
上位及第者たちも同じことで…
「海星くん、茶州なんて遠いじゃない?会えなくなっちゃうの寂しいよ」
玉蓮はあからさまにしょんぼりとしてポツリと言った。
「確かに、今はだいぶ良くなっているようですが、以前は危険も多かったと聞きます。心配ではありますね」
光泉も同じように言うと、玉蓮の表情がさらに曇った。
「初めは驚きましたけどね、でも主上がおっしゃったように、伝説の官吏が二人もいるところに行けるというのは、ありがたいことかもしれません。前向きにとらえますよ」
「そうだな。せっかくだからパァ〜っと送り出そうぜ!いつ出発なんだ?」
「それが、すぐにでもという感じらしく、明後日ぐらいには」
「そっか。じゃあ、明日の夜は送別会だな!玉蓮、お前、夜出られるか?」
「うーん。夜にお出かけしたことがほとんどないから、父様に聞いてみないと、なんとも…」
玉蓮はまたしょんぼりと表情を暗くした。
「だよな。俺も一緒に頼みに行ってやるよ。帰りは三人で俥を使って邸まで送る、と言って聞いてみよう」
「私たちも一緒にお願いに行きましょう。父上と個人的に面識があるのはおそらく飛龍だけだろうからな」
「そうだな。俺のために集まってくれようとしているんだから、俺も一緒に頼みに行こう」
三人はなんでもないことのように言い、玉蓮は顔を上げた。
「ありがとう、みんな」
破顔した玉蓮に、海星がぽんぽんと頭を叩いた。
この後、四人揃って戸部の景侍郎にお願いに行った際に、父親の景侍郎は快諾してくれたものの、横から仮面尚書が心配だから反対と口を出し、戸部尚書補佐に宥めすかされて許可をもらう顛末になるとは、誰も予想していなかった…