第四章〜研修編3
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「今年度探花及第、景玉蓮。其方を尚書省吏部下官に任ずる」
(吏部〜〜!志美ちゃんと綺羅綺羅従兄弟さんのところだ!)
パッと玉蓮は顔を上げて主上の表情を見た。
「其方は誰より若いが、とても気が利くし一生懸命だと評価がとても高かった。吏部でしっかり頑張ってくれ」
それまで、余計なことを言わなかった劉輝が、珍しく言葉を伝えた。
「ありがとうございます」
玉蓮は礼をして佩玉を受け取って元の位置に戻った。
(あれ、そういえばなんか話しかけられたけど、なんでかな?)
戻ってから次に呼ばれた光泉を見つめながら、ぼやっと考えていたが、「戸部下官に任ずる」と声が聞こえて、はっと現実に意識を戻した。
(光泉さん、父様たちのところだ!)
主上から、戸部は大変だが頑張るようにというようなことを言われていた。
どうやら、上位三名には言葉を発するつもりらしい。
そして最後に状元の海星が呼ばれる。
行き先は茶州だ。
(海星くん、茶州なんて、遠い…)
玉蓮はしょんぼりと顔を下げた。
劉輝は海星に声をかけようとした時、並んでいた景玉蓮の顔が下がったことに気がついた。
(ふむ、今年の上位及第者も管飛龍を入れて仲がいいと聞いていたが…)
「馮海星、茶州は遠い。だが伝説の官吏と言われる櫂州牧と、一昨年の状元の杜影月官吏がいる。二人から学ぶことも多いと思うので、しっかり勉強してきてもらいたい」
「ありがとうございます」
海星は佩玉を受け取り、元の位置に戻る時、心配そうにみる光泉と玉蓮に気がつき、少しだけ微笑んで頷いてみせた。