第四章〜研修編3
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「何やら随分と楽しそうだな」
声がした方を見たら、黄尚書が立っていた。
「おや、あなたは何の用ですか、鳳珠。まだ春麗姫の用も聴けていないのですが」
「失礼しましたわ。こちらをお願いします、鄭尚書令」
春麗は書翰を渡す。
「魯尚書からの書翰になります。今日あたり劉尚書が配属の件をお持ちするだろうから、渡してくるようにと」
「ピッタリ時期があったってことね」
志美が春麗に笑いかけた。
「それで鳳珠、あなたは何です?」
「あぁ…私と紅春麗なのだが、進士の配属が決まって、翌週の公休日から二十日ほど休暇をもらいたい」
「えっ?」
鳳珠の言葉に反応したのは春麗だった。
悠舜は少し笑って、「黄州にでも帰りますか?」と尋ねた。
「あぁ、そういうことだ。私が不在の間は、戸部の事は柚梨に全面的に任せる」
「わかりました…特に今は大きな問題もないし、大丈夫でしょう。黄尚書も任官してから一度も黄州に帰っていないですし、宜しいですよね、我が君?」
悠舜の問いかけに、「あぁ、構わないだろう、が…長くないか?」と劉輝は返事をした。
一瞬だが、鳳珠の纏う空気が氷点下に下がり、劉輝はヒッと小さく声を出した。
「まぁ、いいじゃないですか。あれだけ仕事をしているんですから、少しぐらいお休み取っても戸部は景侍郎がいるから大丈夫ですよ」
悠舜が代わりに答える。
「そうね」
志美も相槌を打った。
「あの…」
春麗は遠慮がちにどうして?と鳳珠に小さな声で尋ねたが、鳳珠は帰ってから話す、と言っただけで、何も言わなかった。