第四章〜研修編3
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進士たちが友情を深めている頃、春麗は邸で評定の真っ最中だった。
仕事室で鳳珠も同じく筆を走らせている。
「全く、尚書査定なんてよく思いついたな」
「だって、戸部は尚書が認められるような方しか残れない、のでしょう?だったら、次世代のためにもご自身で選んでいただいた方がいいかと思いまして」
「戸部のためだったのか…覆面吏部官も使っているんだろう?」
鳳珠は筆を一度止めて春麗を見る。
「えぇ、まだ黎深叔父様がいらした時にお願いしていて。一応、志美様が尚書になられたときにもう一度ご説明したのですけれど、あっさりと許可いただいて。今年は玉石混合ですから、各部署の尚書や侍郎に見ていただくのと、吏部でしっかり確認していただくにはよかったと魯尚書もおっしゃってましたわ」
「そうか…今年使えそうなのはあの四人か?」
「えぇ。櫂瑜様から優秀なのを一人回して欲しいと依頼があったので、志美様にはお伝えしてあります。ところで、鳳珠様はどなたをご希望で?」
「お前は誰がいいと思う?春麗?」
そうですわね…と言いながら、耳元に口を寄せる。
鳳珠はニヤリと口角を上げた。
「ふっ…同じだな。明日にでも、志美とすり合わせておくか。こちらは大体出来上がったが、春麗はどうだ?」
「わたくしも書き上がりましたわ。お茶にしましょうか?」
春麗が立ち上がって振り返ると、鳳珠がふんわりと抱きしめた。
「今日は天気もいい、気分を変えて庭院で茶にしよう」
「素敵ですわ。ちょうどお花と緑がお日様に映えて綺麗でしょうね」
春麗は綺麗に微笑んだ。