第四章〜研修編3
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研修最終週の前の公休日、以前から利用している食事処に景玉蓮、管飛龍、馮海星、謝光泉の四人は昼食を兼ねて集まった。
今日は完成した互いの課題を見せ合う、という名目である。
四人はそれぞれの課題に目を通して、ここをもっとこうした方がいい、など指摘事項を意見交換した。
もっとも、ほぼ完成させていたので、簡単に差し替えられる程度だったが。
「飛龍くんの課題、面白いね。民間信仰とくっつけるなんて思いつかなかったよ」
「どうせなら、祭事としてやるだけじゃなくて、民に畑をいじらせればいいのにな…予祝、豊穣祭どちらも、白州でやってたみたいに、しっかり土を掘り起こすことを組み合わせとして、畑の中の害虫の卵を表に出し、鳥などに食べてもらうってのはどーだろうか…と思ってな」
「貴陽では、毎年、豊穣祭では女装大会とかやってるよ。普通にお祭りとして楽しんでいるけど、働いた上でのお祭り、の方がやった感あるよね」
二年ほど前の女装大会に、すっごい美人が出てきたんだよ〜と玉蓮は振り返る。
あれが鳳珠だということは一目見てわかっていたが。
(ほーじゅ様、なんであんなのに出てたんだろう?)
玉蓮は理由はまだ知らない。
「女装大会?なんだそれ??」
「なんでか知らないけど、毎年恒例なんだよ。二年ほど前はすごいレベルが高くてね、面白かったよ」
その時の様子を思い出す。
なんとなく昔に思考が飛んでいたところを、「玉蓮の課題は随分面倒なものを選んだな」という光泉の声で引き戻された。
「光泉さんほどじゃないけど?」
玉蓮は以前は”光泉殿”と呼んでいたが、自分も飛龍たちのように”くん”と呼んでほしいという光泉の依頼で呼び方を変えた。
だが、少し歳が上なので、気を遣って”さん”と呼ぶことにしている。
(春麗ちゃんも”珀明さん”って呼んでたしね)
「っていうか、光泉、字がうますぎて読めねーよ。いや、読めるんだけど読めねー」
飛龍が苦笑いをして言うのを、「どっちなんだよ」と海星が突っ込んで笑う。
「明日からの研修中にこれを出したら、もうすぐに配属だね。どこになるんだろう?」
玉蓮が聞いた。
それを海星が受ける。
「せっかく仲良くなったのに、地方配属になると離れてしまって残念だな」
「そうだな、俺、地方な気がするんだよなー」
飛龍が言うと「同じく」と海星が相槌を打った。
「もし地方になっちゃっても、文のやりとりはしようね。紅侍郎も同期の方とやりとりしてるって言ってたし」
「そうだな」
課題も終わった気楽さもあって、その日は楽しく食事をした。