第三章〜研修編2
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礼部の研修は一日目がみっちり座学、二日目からがその他の部と同じような雑用と聞いた。
「以上が礼部で過去におこなっていた式典になります。ご存知の通り、王位争い以降、非常に財政が逼迫したため、全ての祭事が行われなくなりました。金銭的な問題もありますが、予祝と収穫祭として豊穣祭を復活させることを検討しています。もっとも、まだ朝議にはかけていません」
礼部研修初日の座学の日、眠そうに聞いていた管飛龍はピクっと反応して顔を上げた。
(確か、飛翔兄が蝗害対策で馬車を作ったとかなんとか言ってたよな…)
飛龍は料紙に思いついたことをつらつらと書いていった。
話半分で聴きながらある程度まで書いてから、さらに思いついてニヤリと笑った。
翌日の礼部研修は、春麗の指示から始まった。
「景進士はこちらの書翰を吏部へ、尚書に直接渡してください。決裁不要ですが早めに見てほしいと伝えてください。これは戸部へ持っていって、尚書に”午までに確認して決裁をお願いします。午後にわたくしが受け取りに来ると言っていた”と渡してください。不在だったら侍郎でも構いません。こちらの山は兵部へ。尚書依頼のものなので、これも直接渡してください。全て目を通してもらって、何かことづけられるともうのでそれを持ち帰ってください」
「はい!」
(春麗ちゃんのお仕事の仕方は、光泉殿が言ってた通り、ほーじゅ様みたいだなぁ)
「何をボヤッとされてるの?早く向かってください」
「はい、すみません!」
玉蓮はバッと風呂敷を広げて兵部の書簡をまとめて縛り、その上に戸部と吏部の書簡を載せて、ひとつ頷いいてから「いって参ります!」と元気よく挨拶をして出ていった。
その後ろ姿を、礼部官の”お気の毒に…”という視線が追っていた。