第二章〜研修編1
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(んんー、それにしても重い…春麗ちゃんから頂いた風呂敷、持っていて正解だった!えらい、私!)
ヨイショ、と荷物を持ち直して、工部の前に立つ。
「失礼致します、景玉蓮、入ります」
大きな声で挨拶してから、工部に足を踏み入れる。
「管尚書に、戸部の黄尚書から書翰です」
「おー、嬢ちゃん、来たな!ありがとよ!一杯どうだ?」
(・・・酒、くさい…っていうか、仕事中に飲んでる!?)
目が点になっていると、周りの工部管が「子供にお酒はダメですよ!」と嗜めているのが聞こえた。
「いーじゃねえか、少しぐらい?」という言葉にハッとなる。
「お酒は結構です。こちらが書翰になります。そして、黄尚書からの伝言です。では行きます」
スゥ、と大きく息をすって
「”昼から飲んだくれている暇があれば仕事しやがれ酔いどれ尚書!”とのことでした。では失礼致します」
ペコリ、と頭を下げて一目散に逃げていく。
背中に「奇人のやつ、うっせーな」とつぶやく声が聞こえた。
トコトコと歩いているうちに吏部に着いた。
同じように声をかけて入ると、なかなかどうして、結構な罵声が飛び交っている。
(尚書に渡して決裁貰ってって言われたけど…尚書様は志美ちゃん、だよねぇ?海星くんに会えるといいんだけど…いないか…)
キョロキョロと見回しても、尚書も目当ての海星も中央の大机案のところにはいなさそうだった。
「あの…」
「なんだ?」
(あれ?いつか見た綺羅綺羅さんによく似てる…)
「進士の景玉蓮と申します。戸部の黄尚書から、吏部尚書へ直接書簡をお届けするように言われて参りました。尚書はどちらにいらっしゃるでしょうか?」
「そうか…お前がか…、のんき小動物に似てるな。こっちだ」
(のんき小動物ってなんだろう???)
言われた意味は全くわからなかったが、どうやら綺羅綺羅さん似のお兄さんに案内してもらそうだと、黙ってついていく。
「劉尚書、碧珀明です。戸部より進士が直接お渡ししたいと書翰を持ってきております」
「どうぞ」
(あれ、少し声が違う?)
中から聞こえた声に戸惑う。
「あの、碧官吏、ありがとうございました」
ペコリとお辞儀をしてから失礼致します、と室に入った。