第一章〜進士式編
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宮城の見学と研修も終わり、終業の時間となって玉蓮、海星、飛龍は集まった。
「さて…なぜ私たちにだけ朝の仕事がついてきたか、ですよね…」
「私と飛龍くんはわからなくもないんだよね、身内が高官じゃない?特別扱いしない、ということかなぁと思うんだけど、逆の意味での特別扱いになっちゃってるよね」
「そっか、なるほどな。なんで謝光泉じゃなくて俺なんだ?って思ったけど、そういうことか。しかし個別というのはなんだろうな」
「うーん?やってみたらわかるかもよ?でもまぁ、みんなでやるお掃除より、私たちのは確実に大変そうだよね、頑張らないと!」
玉蓮はパチン、と頬を叩いて気合いを入れた。
「明日からなんだ、今からそんなに張り切るな」
海星にたしなめられて、エヘヘと玉蓮は笑った。
一方、戸部では。
「しばらく春麗ちゃんが礼部にかかりっきりになる分、こちらも忙しくなってきましたね」
「仕方ないだろう、魯尚書からも配属までは頼むと言われてしまっているからな。一日一度は顔を出すようには言ってあるから、そろそろくるだろう」
柚梨はそれを聞いて、お茶の用意を始めた。
「春麗ちゃんも疲れているでしょうしね、私が用意しますよ」
「済まないな」
お茶がちょうど準備できた頃「遅くなりました」と春麗が戸部に入ってきた。
「春麗ちゃん、お疲れ様でしたね」
「あぁ、ごめんなさい柚梨様、お茶の用意をしていただいてしまって」
「いいですよ、流石に今日は疲れたでしょう?まず一休みしてからにしましょう。今日のお菓子は太陽餅にしましたよ」
と席に促した。
「ハァ〜美味しいです、ありがとうございます」
「流石にくたびれたって表情しているな」
「えぇ、進士たちの方は大きな混乱はなかったですけれど、これからどうなるか…不穏な芽は魯尚書が牽制してくれましたけど、まだこれからですからね。あ、そういえば、魯尚書の特別指導は今年も入りました。状元の馮海星殿、玉蓮姫、管飛龍殿です。あと、その他の進士は宮城の掃除なんですけど、統括を榜眼の謝光泉殿が。玉蓮姫は皿洗いですわ」
「鳳珠や春麗ちゃんと同じですから、玉蓮は意外と喜んでいるかもしれませんよ?」
柚梨はニコリと笑いながら感想を述べた。
「あそこはほかの進士から嫌がらせは受けない場所だからよかったかもしれないな」
「えぇ、わたくしもそう思いましたわ。朝は始業の一刻前の集合で、掃除になります。各部での研修は来週からの予定ですわ。日が近づいたら班分けと日程をお渡しします」
片付けはわたくしが、と言いながら春麗は立ち上がった。