第一章〜進士式編
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国試合格者発表翌日の公休日、黄戸部尚書邸で集いがあった。
景玉蓮(と、ついでに管飛龍)の合格祝い、という名目で集まった人員は…
主役の景玉蓮
父親の景柚梨戸部侍郎
玉蓮の後見人であり邸の主人の黄鳳珠戸部尚書
鳳珠の妻で礼部侍郎兼戸部尚書補佐の紅春麗
玉蓮とともに合格したもう一人の主役・管飛龍
従兄弟の管飛翔工部尚書
飛龍の後見人の姜文仲中書省長官
…柚梨、春麗以外が悪夢の国試組ということもあり、野次馬参加の
鄭悠舜尚書令
劉志美吏部尚書
そして、紅黎深・元吏部尚書…
「お、おい、玉蓮、これどーなってんだ?なんか見るからに偉そーな人ばかりじゃねぇか。俺、なんでここにいるんだ?」
通された室の前で、中の人たちの姿を確認した飛龍は怖気付いて入り口からじわじわと離れながら言った。
「えーっと、父様がいる戸部の尚書様と、そのお仲間…たち?でもお二人わからないの、あのユーレイみたいにコケてる顔色の悪い人と、うっすらお化粧してる人」
「ユーレイ言うな。あれは俺の従兄弟が若い頃スンゲェ世話になったという姜文仲様だ。俺の後見人でもあるが、この前まで藍州の州牧していた関係で、海星の後見人もやってたみたいだぜ。この春から、中書省の長官らしい」
「ふぅ〜ん。でもここにいる、ってことは飛龍くんの後見だからというだけでもなさそうだね。わかる人は教えるね」
玉蓮の説明を聞いて、面子の役職を把握した飛龍はもう一度「なんで俺がここに…」と呟いた。
「あなたが管飛龍殿ですね、玉蓮が随分お世話になっているようで、ありがとうございます」
柚梨が丁寧に挨拶をしてきた。
「えっと…」
「あ、景柚梨、玉蓮の父です。戸部で侍郎をしています」
「管飛龍です。こちらこそ、勉強教えてもらったりして、お陰で実力より上で合格できました。ありがとうございます」
なんともトンチキな挨拶になってしまったな、と思いながら、飛龍は頭を掻いた。
「ちなみに、お化粧をしてる方は、劉志美吏部尚書ですよ。春までは紅州州牧でした」
柚梨が二人に教える。
「父様、吏部尚書ってことはれーしん様がやってたのと同じだね?姜文仲様と劉吏部尚書もほーじゅ様のお仲間なの?」
頷く柚梨に、「じゃあ、ほーじゅ様のこと、ご存じなんだね…」と呟いた。
???と疑問符がついている飛翔に、「すぐにわかりますよ」と柚梨が言って、室へ促した。
「劉尚書、姜長官、初めてお目にかかります。紅春麗です。劉尚書、その節は叔父のためにお忙しいところお時間をとっていただきありがとうございました。姜長官は藍州で秀麗がお世話になったようで、ありがとうございます。」
「五丞原で孫尚書と戦っていたのを見ていたが初めて話すな。姜文仲だ。紅男の姪は二人とも叔父に似なくてしっかりしてるな」
「ほんとよね、アタシは劉志美。内輪の時は志美ちゃんって呼んでちょうだい。お宅に居候してた浪燕青もそう呼んでるわ。それにしても、お肌ツルツルで綺麗ねぇ〜〜」
「志美は変わりませんね、吏部でもその調子だと困るんですけど」
笑いながら悠舜が口を挟む。
「あら、大丈夫よ、紅州でもちゃんと州牧稼業の時はおっさんやってたから。あ、景侍郎、そちらのお嬢さんも紹介してよ」
(お化粧の人とユーレイ、キター!!!)
玉蓮は顔がニマニマしてしまうのを取り繕って、さっと礼をとった
「景玉蓮と申します。よろしくお願いいたします」
「玉蓮ちゃんね、及第おめでと。アタシは吏部尚書なんかになっちゃったらしいんだけど、劉志美。志美ちゃんって呼んでね」
「志美、お前、その呼び方確定なんだな…」
文仲と悠舜はほんの少しため息をついた。