第九章〜VS楸瑛
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珀明からの報告を受けて、春麗は頭を抱えた。
(全く、藍将軍は何をなさっているのかしら)
武はからっきしダメ、という珀明ですら気付いた子供の様子、楸瑛が気づかないはずはない。
相手が持っているものが棒であれ、殴られたら怪我をしない保証はない。
何のための護衛だと怒っている珀明には、自分から藍将軍に話しておくからと宥めたものの、さてどう切り出すか、と春麗は少し迷いが生じていた。
うまく聞いたところで、どのみち彼には躱されてしまうだろう。
だが、可愛い妹分であるというだけでなく、州尹としてはしっかりと釘を刺さないといけない。
重い気持ちのまま、春麗は楸瑛と話をした。
「本当に気づかなかったんだ。前の方に大人の破落戸がいたからね」
「とはいえ、碧官吏ですら気がついたものを、藍将軍が気づかないとは思えませんわね。今回は何事もなかったからよかったですけれど、今後、碧官吏や景官吏を…それから、わたくしのことも試すようなことはおやめください。もし何かあった場合、わたくしの立場では、櫂州牧に申し上げて藍将軍の処分も考えなければなりません」
「私を処分すると?」
楸瑛は面白そうな表情で春麗を試すように見た。
「えぇ、もちろん、櫂州牧にははかりますが、それが州尹としてのわたくしの仕事ですから。花をもらっている主上の嘗ての側近であれ、藍家の直系であれ、関係ありません」
キッパリと言い切った春麗に、「わかったよ、私が悪かった」と楸瑛は白旗をあげた。
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