第八章〜VS◯◯
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出立日前日は邸で家族が壮行会をしてくれた
いつにも増して食卓には玉玉蓮の好きなものがたくさん並んでいた。
母と弟からは旅の安全を祈るお守りと「寂しくなったら読みなさい」という箱に入った文、柚梨からは鳳珠と自分の書いた文も渡された。
「着いたらお返事書かなくちゃね」と言いながら、もし水門の料紙屋さんから荷物が届いたら半分ぐらい送って欲しいと頼み事をしておく。
「ご一緒される碧官吏もお若いんでしょう?」
「春麗ちゃんの同期だよ」
「今日、吏部に行って挨拶をしておいたよ。彼は優秀だし、春麗ちゃんのおかげで知らない仲じゃないからね、他の人と組むよりよかったと思うよ」
柚梨は父親の顔になって、不安げな妻を安心させる。
「せっかくだから、色々見てきなさい。秋の黄州はとても綺麗だし、美味しいものも多い。祖父様たちも楽しみにしているようだから、月に一度ぐらいは顔を出してあげてね。」
「はぁい。新年には朝賀があるから春麗ちゃんも戻るっていうし、多分一度帰ってくるよ」
貴陽から出られる楽しみ半分、寂しさ半分という表情で、玉蓮は家族との時間を過ごした。