第八章〜VS◯◯
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「というわけで、せっかく紅侍郎からお口添えをいただいて指導をお願いし始めたのですが、しばらく宮城を離れることになったんです」
「宋太傅から聞いてるわ、行き先は黄州だってね」
春麗の口利きで宋太傅と十三姫から護身術を習い始めたところだったが、ようやく慣れてきたあたりで自分一人がしばらく休むことになった旨を伝えた。
「ジジイだがこの手の指導に向いているのが一人いるから、紹介してやろう」
宋太傅が顎に手を当てながら思い出したように口を開いた
「黄州には藍楸瑛もいるが、女人官吏にはつけない方がいいだろうしな」
十三姫を見てニヤッと笑う。
「そうね…でも、景侍郎のお嬢さんだから変にちょっかい出さないとは思うけど…」
「藍…楸瑛さん?」
玉蓮が首を傾げて十三姫を見る。
(確か、前に将軍をやってた藍家直系の四男…女たらしだと噂だと聞いたことがある)
「ありがとうございます。そういうことであれば、宋太傅の古いお知り合いの方でお願いします」
玉蓮はキリッとした表情で宋太傅に向かって頭を下げた。
「久しぶりにアイツの顔でも見に行くかな…お前が着任して落ち着いた頃に行くことにしよう。ついでに春麗と手合わせもして、久しぶりに黄州の道場破りもしてくるかな」
楽しそうにいう宋太傅に半ば呆れる玉蓮と、自分も行きたいと騒ぐ十三姫だった。
(でもまぁこれで、向こうでも継続できることになった・・・せっかく慣れてきたところだからよかったよかった)
「三師の室はわかるか?明日の昼にでも紹介状を取りにくるように」
(三師の室、ってなんだろう?)と今日の夜に父親への確認事項に心に留めた。
吏部に戻ると「尚書が探してたぞ」と言われて、尚書室の扉を叩く。
「景玉蓮です」
「入れ」
言われて中に入ると、尚書令と戸部への書翰を渡されたので、いつもの風呂敷に包んですぐ出かける。
(戸部に行く口実できてよかった。父様か鳳珠様に会えるといいんだけど)
玉蓮は足取り軽く回廊を進んだ。