第七章〜VS◯◯
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「時期ではありませんが」
と朝議で鄭尚書令から切り出されたのは、州牧・州尹人事についてだった。
3ヶ月ほど前に手をつけた大掛かりな人事について、一部変更をする、という内容だ。
「地震からの復興を臨時州牧で工部の欧陽侍郎が勤めていますが、だいぶ目処が立ってきていることもあり、現・黄州州牧を碧州州牧として異動させます。欧陽州牧は引き続き復興関係の指揮を、内政については新州牧に勤めてもらい、引き継ぎながらある時点で一度工部に帰ってきてもらいます。時期の判断は州牧たちに一任します」
悠舜は一度区切った。
「それから、茶州の櫂州牧を黄州に、黄州は現在、州尹不在ですから、礼部の紅侍郎を黄州州牧としてつけます。あいた茶州には藍州州牧に移ってもらい、戻って来られたら欧陽侍郎を茶州州尹にします」
ここまで言って、悠舜はもう一度区切った。
会堂内はざわざわとざわめきが起こり、視線はその場にいる”礼部の紅侍郎”に集まり始めた。
「そういえば、紅侍郎は戸部尚書補佐も兼ねてましたよね?それはどうするんですか?」
どこかから声が上がる。
「そう、でしたね。どうしましょうかね?黄尚書?」
(わざとらしい)と小さくつぶやいてから
「地方に行くなら外れるしかないだろうな」
と鳳珠は答えた。
「ところで、藍州州牧はどなたが?」
まだどこかで声がした。
「それは」
と言ってからスッと悠舜は立ち上がって、羽扇を上げた。
正面の扉がギィ、と音を立てて開く。
そこに立っていた男の姿に、全員が一瞬で息を呑んで黙った。