序章〜国試編
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聳え立つ門を前に、少女は立ち顔を上げた。
「さて、と。やりますか。」
もう一度、腕の中の風呂敷を少し指で広げて、これだけは忘れていけない物は入っているか、今日何度目かわからない確認をする。
変な話、他のものは忘れても、これさえあれば大丈夫、と思える、大切な大切な宝物。
それから、隣にいる男性の方を見上げた。
「いってらっしゃい。しっかりね」
「はい、父様。いってきます」
にっこり笑ってから前へ進み、門番に木簡を見せて、中へ一歩踏み出す。
もう一度振り返って、見送る”父様”へ大きく手を振った。
「行ってきます」
小さくつぶやいてから向き直り、真っ直ぐ前へ歩き出すと、背後で門が閉まる音がした。
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