7000番 夏様へ
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悠舜はふぅ、と少しため息をついた。
「皇毅は何を囁いたんでしょうね?で、鳳珠は?」
悠舜の声にハッとして春麗が顔を上げて仮面を見る。
「…相談、だな。私のそばにいてくれればそれでいいと思っているし、外に出られると心配だから邸にいて欲しいという気持ちはあるが…お前がどうしたいか、が大事だ」
春麗をちらりと見下ろして鳳珠は言った。
「よく話し合って決めるだろうな」
綺麗な長い指がそっと春麗の頬を撫でる。
顔を春麗の耳元に顔を近づけてから少し仮面をずらして
「だが…私の元を離れるという選択肢はなしだ…そうだろう、春麗?」
と、とびきりの美声で囁いた。
「っ・・・」
顔を真っ赤にしてゆっくりと下を向いてしまった春麗の様子を見て、鳳珠も満足そうに盃に手を伸ばした。
「どうやら、鳳珠の勝ちのようですね、皇毅、残念でしたね」
「ふん…くだらん」
「まぁ、あなたも本気で口説いていたわけではないでしょうし、ね。さて、そろそろお開きにしましょうか」
悠舜の声にチッと小さく舌打ちした後、皇毅は春麗を見た。
その視線が名残惜しそうなものだったことに気がついたのは、悠舜だけだった。
おしまい
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