Rayお礼SS
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※小噺「二人だけの秘密」の裏側
瑞蘭、家令
家令と瑞蘭の夜の定期的な報告会に、菓子を持って瑞蘭が現れた。
「御館様たちは最近よく出かけるようになったな」
家令の一言に瑞蘭が答える。
「えぇ、ずっと邸と宮城の往復じゃつまらないだろう、って御館様がおっしゃったみたいですよ。姫様はそうでもないと仰ってましたけど…今日は龍山にお墓参りに行かれた後、街歩きをされていたみたいですよ」
「まぁ、仲が良いのは何よりだけどな」
「最近流行りの甘味を買ってきてくださいました。で、これがそうです。夏向きのお菓子だから人気でたくさん買えなかったと言って、横のお菓子も買ってくださったみたいなので一緒にどうぞ」
「姫様はいつも気遣いしてくれてありがたいな」
パクッと一口で菓子を食べた後、家令はほくほくと微笑んだ。
家令が甘い物好きというのは瑞蘭からの情報で春麗が把握しているため、毎度土産が菓子になっているのを家令は知らない。
「今日は二胡を持って行かれたのでどうされたのか聞いたら、お墓参りの時に弾いたそうです。機会があれば聴きたいとお願いしたら、琵琶ならいいが二胡は母上のお墓でしか弾かないことにしてるからごめんなさい、って断られてしまいましたわ」
「そうか…紅家といえば琵琶だが、二胡も弾けるのか。七家の本家はどこも色々あるみたいだが、紅家も不思議だな、一応調べたが、姫様の母君についての情報がまるでない。父君の紅邵可殿も、官吏になる前の情報がほとんどないんだ。反対に当主の紅黎深殿や弟で名代をやっている玖琅殿についてははっきりしているがな。」
「そうなんですね…」
「でもまぁ、紅本家であることには違いないから、何ら問題はない。家の格としてはあちらが上だ」
「そうですね。御館様はいつ頃お式をするつもりなのでしょうか?」
「さぁ…色々聞く話では、宮城は相変わらず落ち着かないと見える。姫様が女人官吏になってまだ二年目だ、遅くとも年内か来春にはやってほしいとは思うが、御館様が官吏になられてから一度も黄州に帰れていないところを見ると、向こうでというのは難しいのかもしれん」
二人は揃ってはぁ、とため息をつく。
新婚期間を楽しんでいる、と言って仕事に邁進し続ける主人夫婦に対し、いつでも結婚式の準備万端で備えている使用人たちの悩みは尽きない
<おしまい>
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