Rayお礼SS
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春麗と鳳珠が湖までお出かけした日の夜
(茶都・月の宴ー2 9〜10ページのあと)
その夜、家令と鳳珠付きの侍女と春麗付きの侍女、並びに湖に同行した黄家使用人たちーはある一室に集まっていた。
「それでは、本日の親方様と姫様についての報告を頼む」
家令が重々しく口を開く。
「到着された後、姫様が私達の分も手作りのお弁当をくださいました。とても美味しかったです」
「まぁ、姫様お手製のお弁当なんて、羨ましい!」
侍女たちが騒ぎ出す
「俥で待っていたのですが、途中でいつものように一度様子を伺いに行ったら、その…」
家人は言い淀む
「何かあったか?」
心配そうに家令が尋ねる。
「あ、あの、その…お館様が仮面を外して姫様の膝枕でお休みになっていました…」
「「「「・・・・・・・・」」」」
「「「「えええええええええ〜〜〜〜???」」」」
家令は目を丸くし、侍女たちは阿鼻叫喚
「ちょっと、お館様と姫様ってそういう関係だったの?」
「瑞蘭、なんとか言いなさいよ!」
「まぁ確かに、お館様が姫様をかなり構ったり気を遣っているのはわかってたけど」
「膝枕なんて・・しかも、仮面外してなんて・・・、無理・・・」
パンパン、と家令が手を叩いて黙らせ、チラリと瑞蘭を見る
「おそらく…”そういう関係”ではないと思います。今は、まだ」
「瑞蘭がそういうのならそうなのであろう。邸にいるときに姫様に一番ついているのは瑞蘭だからな」
「でも、まずはなんと言っても、私ども家人ですら対応できない、お館様のあの素顔に動じることなく過ごされているお方、という意味で、最大にして最難関の条件は解決しております。そして、姫様もお館様に色々気を遣われてお手伝いもされていますし、本日のように家人の分のお弁当も作ってくださる心優しいお方です。お家柄は紅家直系、姫様以上のお方はこの世にいらっしゃらないと思いますわ」
普段わりと大人しい瑞蘭にしては、熱弁を奮っている様子に、家令は少し驚くが、さすが優秀な侍女頭、こちらの意図を汲んだと判断して、言葉を受けた。
「瑞蘭の言う通りだ。ここは一つ、お館様に頑張っていただかないと・・・我ら家人と黄州の黄家悲願のお館様の嫁取りはもうないかもしれない・・・だが、姫様は世間的には適齢期とはいえ、初の女人官吏として活躍されているお方だ。姫様自身が意識していないのであれば、変に圧力を感じていただいてもいけないので、皆は発言には気をつけるように」
皆を見回して頷いたのに満足そうにする。
「それにしても…お館様が膝枕を所望するとはな…」
翌朝、いつも以上に機嫌よく妙に生温かい視線を送ってくる家人たちに、鳳珠は首を傾げた
(茶都・月の宴ー2 9〜10ページのあと)
その夜、家令と鳳珠付きの侍女と春麗付きの侍女、並びに湖に同行した黄家使用人たちーはある一室に集まっていた。
「それでは、本日の親方様と姫様についての報告を頼む」
家令が重々しく口を開く。
「到着された後、姫様が私達の分も手作りのお弁当をくださいました。とても美味しかったです」
「まぁ、姫様お手製のお弁当なんて、羨ましい!」
侍女たちが騒ぎ出す
「俥で待っていたのですが、途中でいつものように一度様子を伺いに行ったら、その…」
家人は言い淀む
「何かあったか?」
心配そうに家令が尋ねる。
「あ、あの、その…お館様が仮面を外して姫様の膝枕でお休みになっていました…」
「「「「・・・・・・・・」」」」
「「「「えええええええええ〜〜〜〜???」」」」
家令は目を丸くし、侍女たちは阿鼻叫喚
「ちょっと、お館様と姫様ってそういう関係だったの?」
「瑞蘭、なんとか言いなさいよ!」
「まぁ確かに、お館様が姫様をかなり構ったり気を遣っているのはわかってたけど」
「膝枕なんて・・しかも、仮面外してなんて・・・、無理・・・」
パンパン、と家令が手を叩いて黙らせ、チラリと瑞蘭を見る
「おそらく…”そういう関係”ではないと思います。今は、まだ」
「瑞蘭がそういうのならそうなのであろう。邸にいるときに姫様に一番ついているのは瑞蘭だからな」
「でも、まずはなんと言っても、私ども家人ですら対応できない、お館様のあの素顔に動じることなく過ごされているお方、という意味で、最大にして最難関の条件は解決しております。そして、姫様もお館様に色々気を遣われてお手伝いもされていますし、本日のように家人の分のお弁当も作ってくださる心優しいお方です。お家柄は紅家直系、姫様以上のお方はこの世にいらっしゃらないと思いますわ」
普段わりと大人しい瑞蘭にしては、熱弁を奮っている様子に、家令は少し驚くが、さすが優秀な侍女頭、こちらの意図を汲んだと判断して、言葉を受けた。
「瑞蘭の言う通りだ。ここは一つ、お館様に頑張っていただかないと・・・我ら家人と黄州の黄家悲願のお館様の嫁取りはもうないかもしれない・・・だが、姫様は世間的には適齢期とはいえ、初の女人官吏として活躍されているお方だ。姫様自身が意識していないのであれば、変に圧力を感じていただいてもいけないので、皆は発言には気をつけるように」
皆を見回して頷いたのに満足そうにする。
「それにしても…お館様が膝枕を所望するとはな…」
翌朝、いつも以上に機嫌よく妙に生温かい視線を送ってくる家人たちに、鳳珠は首を傾げた
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