新しい商売ー3(裏夢)
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外朝より春麗が先に邸に帰ると、家令と侍女頭の瑞蘭が厳しい表情で出迎えた。
鳳珠は残業だ。
「奥方様、お着替えになる前に、ちょっと…」
と呼ばれてとりあえず近くの室に入る。
「あの、お文がきているんですけど…奥方様宛に、妓楼から」
あぁ、厳しい顔の理由はそれか、と春麗は微笑む。
「姮娥楼からじゃない?」
「そうです」
「大旦那か胡蝶姐さんかしら?であれば、心配しないで。小さい時から姉妹でお世話になってたところだから」
家令と瑞蘭は顔を見合わせて不安そうにする。
「あぁ、言葉が足りなかったわね。知っての通り、実家は紅家とはいえとても貧乏なのよ。で、子供の頃に賃仕事先として、姮娥楼で秀麗は帳簿つけ、私は琵琶の演奏をしてたの。琵琶演奏にしたのは夜の方がお値段がいいからね。胡蝶姐さんはその時からの仲で、私がお客様の前に顔を出さなくていいようにしてもらってたから、変な心配はしなくて大丈夫ですわ」
そこまで話して、ようやく二人の表情が緩んだ。
家令から文を受け取り、開く。
「相談したいことがあるから早めに来て欲しい、って書いてあるわね…鳳珠様にお話しできてないからどうしましょう…」
「奥方様にお一人で行っていただくわけにはいきません。しかし場所が場所ゆえ…私がついていきましょう。御館様には文で知らせる。瑞蘭、その間に奥方様の着替えを」
「はい」
家令は即座に判断して、テキパキと動き出した。
四半刻後、いかにも黄家の奥方、という清楚ながらも美しく着飾られた春麗が、着飾られ疲れでよろよろと自身の室から出てきて俥に乗せられていた。