一撃でオトす
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鳳珠は黙って春麗を立ち上がらせようと、手を差し伸べたが、春麗はフルフルと顔を振った。
自分の顔に耐性のある春麗でさえこうなるとは、と我ながら呆れてから、両手で肩の下に手を入れ一度たたせたてからそのまま横抱きにする。
「すみません…」
春麗はおとなしく横抱きにされながら、小さく謝った。
「いや、構わない」
「え、一体何があったの!?」
「黄尚書、一体春麗殿に何を言ったのですか?」
疑いの眼差しが向けられていることを悟った鳳珠は春麗に促した。
「春麗、って言われただけですわ」
四人は絶句である。
「迎えにきただけだ、このまま失礼する」
と颯爽と春麗を抱き抱えたまま鳳珠は室を去った。
「いやしかし、あんな自信満々に一撃でオトすって言ってたけど、本当だったな…」
絳攸がふと我に帰ったように口を開いた。
「えぇ、すごかったですね、あんな春麗お嬢様の顔は初めて見ました」
「本当よね」
静蘭と秀麗は春麗の反応について語り合っている。
「あれ、壁ドン、ってするのが効果的なんだろうね。今度試してみようかな」
「黙れ常春、無闇に女官の被害を広げるな」
と楸瑛は絳攸に嗜められる。
「ねぇ、もしかして黄尚書の顔って酷い顔、って思ってたけれど、もしかしてもしかして、絶世の美男子っていうのもアリじゃない?」
秀麗の一言は真実をついていた。
が、そういった当の秀麗が「だったら仮面なんて被らないわよねー」と否定し、黄尚書の仮面の下のご面相は悟られることなく終わったのだった。
おしまい