一撃でオトす
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ねぇ、静蘭がさっきの藍将軍みたいに口説くとしたらどんな風にするの?」
秀麗は無邪気に聞いてきた。
「…そうですね、お嬢様。お知りになりたければ」
するりと秀麗の頬をひと撫でする。
「二人きりの時に教えて差し上げましょうか…」
静蘭はじっと秀麗の目を見て薄く笑う。
(悪い顔してる…!)
楸瑛と春麗は思わず顔を見合わせた。
こういうのが苦手な絳攸が気になって見てみると、視線は戸口に向かっているので二人も戸口を見た。
「お取り込み中のようだが?」
戸口に立っていたのは仮面をつけた鳳珠だった。
「黄尚書」
と皆立ち上がり立礼する。
「今は構わない。春麗から中に入ってくるようにと言われていたから勝手に邪魔をした」
「お疲れ様でした」
と春麗は立ち上がり椅子を引いて促し、可動式仮面なことを確認してから「皆さんと同じお酒になさいます?」と勧めた。
「先ほどのは藍将軍が女人を口説く時の仕草について色々教えてくださって、それに対して秀麗が静蘭だったらどうするか?と聞いて実践していただけですよ」
とかいつまんで説明をする。
「そうか」
「黄尚書だったらどんなふうにされます?」
秀麗が聞いた。
「春麗がいるから、他の女人にそんなことはしないだろう」と絳攸が嗜めるが、気にしない様子で鳳珠は答えた。
「そうだな…人にわざわざ見せるものでもないし、春麗以外を口説く気もない。だが、そうだな…」
思いついて、仮面の下でニヤリと微笑んでから、酒を一気に煽った。
「春麗は私の妻だが、もう一度、一撃でオトしてみせようか?もっとも、仮面のままというわけにはいかないから、春麗にしか通用しないが」
(これはまた、随分と大きく出たことで)
楸瑛と静蘭は思いながらも「後学のために」「お願いします」と促した。