黄家お宅訪問
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鳳珠と春麗の挨拶を受けてから、四人は腰掛けた。
「で、お前はいつまでその変なのを被っているんだ?物はいいのはわかるが…」
という父親の声に、鳳珠はいいじゃないですか、と答えたが春麗に促されて黙って仮面を外した。
「あなた、ちょっと…前より磨きがかかっていません?」
「あぁ、久しぶりというのもあるが、我が息子ながら全く、ため息しか出ないな」
むすっとして無言になった鳳珠に春麗はくすくすと笑いながら、鳳珠が渡した仮面を受け取って膝の上に置いた。
「二人並ぶと破壊力がすごいな」
「破壊力って何ですか」
まだむすっとしたまま鳳珠が答える。
「二人とも彩雲国一の美人さんってことよ」
若い娘のように笑う鳳珠の母を、夫は少し眩しそうに見てから「そういうことだ」と答えた。
(まぁ、鳳珠様のご両親だものね…お二方ともすごい美形)
春麗はそっと両親と鳳珠の顔を見比べた。
すごい美形ではあるが、鳳珠と違い卒倒しそうなほどではない。
最も、おそらく国の最高傑作である鳳珠を見慣れてしまっただけとも言えるが。
「
「分かりました」
少しホッとしたように鳳珠が答えた。
「それから、お前が休みがないというから、式は明後日だからな、明日は二人で当主の邸に顔を出してくれ。挨拶もあるが、鳳珠に話があると言っていた。それから紅家からは当主と名代をやっている下の弟さんが来られることになっている。明日にでもこちらに到着されるとのことなので、そのまま対面予定だからそのつもりで」
「はい」
「あと、藍家と碧家から祝いを送ると連絡があったのだが、それはまだみたいだ」
「藍家ですか?あの三つ子とも四男ともあまり親しくしていませんが?」
「鳳珠様、まさか、龍蓮殿…?あの、もし、頭に孔雀やら何やらのせて変な笛を吹いている男がいたら速攻でわたくしのところに連れてきていただけますか?あの笛を止められる普通の人はいませんので…」
春麗の並々ならない勢いに、父親は少々気圧されながら「あ、あぁ、わかった。まぁ、祝いを送ると言われただけだから、何か物が届くのかもしれないな」と答えた。
「ところで春麗、あれは出さなくていいのか?」
「あ、凜姫のですね。瑞蘭、お願いします」
室外に控えていた瑞蘭が言われた箱を持ってきた。
実演しながら説明すると、新し物好きの母親は大喜びだ。
「それはすでに販売する予定があるので真似をして売らないようにしてくださいね。私の友の妻の発明品です」
”私の友”の言葉に両親がびっくりして、涙を流さんばかりに喜んだのは言うまでもない。