Girls Talk〜後宮編
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「陛下のお戻りです」の声に、十三姫はパッと回廊に出て跪拝する。
「おかえりなさいませ。お迎えもせず失礼いたしました」
周囲の女官もいることもあり、きちんと跪拝してから立ち上がったあと
「え?」
と一言だけ言って固まった。
「十三姫聞いてくれ。なんと!後宮の面会室の前で、黄尚書に会ったのだ!今日は春麗がきているらしいなっ。黄尚書は待たれていたようだったが、余がいれば中に入っても問題ないと連れてきたのだ」
「そ、そうですか・・・」
(ちょうど春麗ちゃんがきてから一刻と少し…ふふ、溺愛されてるわね)
劉輝は得意げにいいことを思いついた!というように弾む声で言った。
「余たちも、茶会に混ぜてくれないか?」
「いえ、私は結構です。迎えにきただけですので」
仮面の男から即答で断られたが、「遠慮することはないのだ!」とウキウキと答える劉輝を見て、とりあえずと十三姫はすぐに「こちらの室になります」と扉を開けた。
外の騒動は聞こえていたので、室内のものたちは春麗も含め全員跪拝していた。
「今戻った。邪魔をしてしまってすまないな」
「おかえりなさいませ」
「主上、お邪魔しております。そろそろ失礼しようかと思っていたところですが」
「うむ。そこで黄尚書にあったから一緒にきている。余たちも茶会に入れてくれないか?」
(聞こえてたけど、お茶会決定なんですね…)
鳳珠が十三姫に押されて室に入ってきた。
女官たちがニマニマと春麗と仮面尚書を見比べているのを、少し居心地悪そうに鳳珠は仮面越しに一瞥した。
「主上、春麗もあぁ言っていたことですし、迎えにきただけですから、私たちはここで失礼します」
「遠慮しなくてもいいけど…まぁ、それもいいかもね。黄尚書が早く愛する奥様と二人きりになりたい、って思っていることだけはしっかり伝わったわ」
十三姫は悪戯そうに笑いながら言った。
「えっ。お二人はご結婚されていたのですか?」
「てっきり恋仲なだけかと」
「うわぁ、素敵!」
キャァキャァ
(あぁ、また始まってしまった…)
春麗は立ち上がって鳳珠の横に行き、そっと仮面を見上げる。
「言っていなかったのか?」
若干、不機嫌そうな低い声。
「隠していたわけじゃないんですけど、なぜか恋仲だと思われていたみたいで…」
ちょっとバツが悪そうな表情で春麗は答えた。
「そちたちはなんの話をしていたのだ?」
「主上、
春麗は綺麗ににっこり微笑んでから、十三姫と女官たちを見た。
多少凄みのある微笑みに、周りはコクコクと頷いた。
「そうか…では主上、失礼します。皆様に妻が世話になり礼をいう」
「ありがとうございました。今度は…皆様のお話も聞かせてくださいね」
お辞儀をして顔を上げると、「行こう」と声をかけられ、いつものように鳳珠は春麗を腰に手を当て
また黄色い声が上がったのは言うまでもない。