新婚旅行
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夜は離れの宿で、ということで小さいながらもきちんと手を入れられた庭院がついた室に泊まる。
「こちらも風情があって面白いな」
鳳珠は春麗の手を引きながら灯の入れられた庭院をゆっくり散歩する。
植えられている木が鳳珠の庭とも少し違い、春麗は興味深げに見ていた。
「鳳珠様のお庭とやはり雰囲気が違いますわね?」
「そりゃあ、そうだろう。庭師によって随分変わるし、土地によって樹木も変わるからな」
「
「そうなのか?黎深の邸では何をしていたんだ?」
四阿に腰掛けてから出してもらったお茶を飲み、少し思い出すように上を向きながら春麗は答えた。
「昼間は勉学を絳攸兄様と一緒に、夕方から采を教えてもらいながら作って叔父様も一緒にお夕食をいただいた後、琵琶か勉学を習ってましたわ。泊まる日もあれば、帰る時もあって。泊まるときは黎深叔父様が一緒に寝ようと言うのを断るのが大変でしたわ」
「なんか…様子が浮かぶな…それにしても、子供の頃とはいえ、黎深と寝ていたとは…」
ちょっと不機嫌そうに拗ねた様子の鳳珠を見ながら、それを見て春麗はくすくす笑った。
「”しつこい叔父様は嫌いです”って言うとすごすご去っていくので、毎日言ってたのですよ。ちょっと可哀想でしたけど、叔父様と寝るとなんだか大変な様子が見えてしまって、断固拒否してましたわ。だから一度も寝てません」
「春麗、力をそんなことに使っていたのか?」
「そんなこと、って大変なことですわよ!?でもあの頃はまだ
「まぁ、黎深と寝ていなかったというのは良かった」
「子供の頃ですよ?」
「子供の頃でも、だ」
(この旅に出てから、普段は見られない鳳珠様のいろんな表情を見られて嬉しいですわ)
先ほどとは反対に少し機嫌の良さそうな鳳珠に、春麗はまた楽しそうに笑った。