新婚旅行
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お茶の時間が近づき、宿へ戻る。
すでに景色がよく日陰になる
お茶の一覧を見るだけで時間のかかりそうなその数は多岐にわたっており、州別に産地が記載されている。
「この一覧の中の”果実”というのはどういうことですの?」
春麗が興味深げに聞く。
「果実を小さく切って干したものですよ。そのまま組み合わせてお湯を注いでもいいですし、お茶にひと匙入れて味の変化を楽しんでいただいても良いかと思います。それから、こちらの花茶は美容にも良いと言われています」
「なるほど、な。確か、明日の昼は春麗は美容の体験をするのだったな?」
支配人が頷き、春麗は少し驚いた表情をした。
「そうなのですか?」
「あぁ、先ほど渡された黄家からの文に、体験してもらって感想を、とのことだった。
「そうなのですね…いいのかしら、そんな贅沢をさせていただいて…」
(黄家って本当に贅沢…百合叔母様や九華叔母様のところにもいらっしゃるのかしら?)
春麗は頭の片隅で紅家のことを考えながら、不慣れな贅沢に少し不安そうに首を傾げた。
「かまわない。今回の滞在は黄家の立派な仕事だからな。それに、今まで春麗に大したことをしてやれなかったから、もっとわがままを言ってもいいと思っている」
「まぁ…鳳珠様はわたくしを甘やかし過ぎですわ」
フルフルと首を振った春麗の耳元で、鳳凰の玉簾がシャランとなった。
「ところで、このお茶菓子なんですけれど…」
仕事仕事、と思い出したように呟いてから春麗は口を開いた。
「どれも見た目も素敵で美味しそうですわ。お重に入っているのも面白いですわね。どれが何かわかるような紙があると、みながら楽しめると思うんですけど」
「そうだな。説明を聞いてもこれだけあると覚えきれないな」
「ありがとうございます。そのように準備しましょう。用意してきますので、その間に召し上がっていてください」
一礼をして、支配人は一度去っていった。