新婚旅行
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翌日の移動の間は、黄州について鳳珠に色々聞いた。
「名物の苺や林檎は知っていますけど、あとはどんなものが?」
「土地が狭いから畑のものはあまりないな、小麦と米を少しやっているぐらいか…あぁ、桃や葡萄もあるから、果樹類はそれなりにやっているか。あとは湖や川で魚の養殖をしている。工芸関係だと、前も話した、
「秀麗たちが作った茶州の学舎じゃないですけれど、それなりに名物になるものはあるのですね」
(そんなことを考えていたのか)
鳳珠は少し笑ってから、
「商売の要でもあるから、人の出入りは多いな。それで、宿や観光には必然的に力が入っている。温泉も出るし、秋は山の紅葉が見事だ。あぁそういえば、その時期は銀杏が大量に取れる。が、なかなか匂いがすごい。この時期のちまきには必ず入っていてうまいぞ」
と続けた。
「今回は、紅葉は時期じゃないですね…いつか見てみたいです」
「あぁ、赤や黄色くなった山は綺麗だ」
(確か、昔描いた絵があったはずだ)
鳳珠は帰ったら探してみようとふと思った。
貴陽から黄州への道は、途中途中に休憩所が設けられている。
「まだ全商連ができる前に、黄州街道は要の道になるからと真っ先に休憩所を作ったらしい。規模はまちまちのようだが、それを真似て今はどこの街道にもポツポツ休憩所ができている」
途中で休む時に立ち寄ったところで、鳳珠が説明する。
食事をとるところや土産物の販売のみならず、簡易な宿、馬の乗り換えなどもできるようになっている大規模なところだった。
「確かに…野営は安全面からも良くないですものね」
「夜は見張りの者もつくので安心、ということのようだ。当然、黄家の系列が一番多いし、その分、安全面にはかなり力を入れている。各州の中ではやはり黄州街道が一番栄えているかもしれないな」
「ほとんど貴陽から出たことがなかったので、知らないことばかりですわ。鳳珠様、ありがとうございます」
「そろそろ行こう」
衝立を立てたところにいたものの、いい女がいる、と周囲の視線が春麗に向き始めたのが気になった鳳珠はさっと立ち上がって牽制するかのように促した。